2019年10月に発売されてからずーっと使い続けていたAirPods Proがついに壊れた。俺は移動中に音楽を聴いていないと死んでしまうタイプなのでイヤホンを買うのは急務。
すぐにAirPods Proを買い直そうと思ったが、Pixel6を購入してiPhoneとの2台持ちの状態になったので、せっかくなら複数機器間をシームレスに行き来できるマルチポイント機能付きの完全ワイヤレスイヤホンを探すことにした。
探す条件は以下の3つ。
- ノイズキャンセリング搭載
- マルチポイント搭載
- 1万円以内(マルチポイントのお試しなので)
この条件で探したところ6,990円で完璧に要望を満たすXiaomi Redmi Buds 3 Proを見つけた。
ということで、早速購入したのでAirPods Proと比較をしながらRedmi Buds 3 Proのレビューしていく。
結論としてマルチポイントは予想以上に使いやすかったもののノイズキャンセリングの効きや音質はあまり良くなかった。
具体的にどのような使用感だったのかレビューしていく。
Xiaomiは2022年8月1日に製品価格の改定を行った。それにより、Redmi Buds 3 Proの定価も以下のとおり変更されている。
旧定価:6,990円
新定価:12,800円
値上げ率でいって約80%の値上げとなっており、これだけ多くの機能が搭載されているとはいえ正直、コスパの良さは弱くなってしまった。
Redmi Buds 3 Proの購入を検討している人は、新価格になってもなおお買い得といえるか考えながらこのレビューを読んでほしい。
- ハイエンド機器と同等の機能を搭載
- 超絶便利なマルチポイントにも対応
- AirPods Proを超える通話品質
- 音質は面白みがない
- ノイズキャンセリングの効きは弱め
- ケースに傷が付きやすい
兄弟機のRedmi Buds 3 Liteもレビューしたので、ぜひ比較検討してほしい。
Redmi Buds 3 Proのスペック
アンダー1万円のイヤホンは、ノイズキャンセリングがなかったり、マルチペアリングがなかったり、ワイヤレス充電ができなかったりと何かしらの機能が削れがち。
だけど、Redmi Buds 3 Proは6,990円という価格ながら、機能が全部盛り。そんなRedmi Buds 3 Proのスペックを俺がいままで使っていた価格3万円のAirPods Proと比較しながら見ていく。なお、俺がとくに気になる違いは赤太字とした。
商品名 | Xiaomi Redmi Buds 3 Pro | Apple AirPods Pro |
カラー | グレイシャーグレー グラファイトブラック | ホワイト |
バッテリー | イヤホン単体 6時間 ケース込み 28時間 | イヤホン単体 4.5時間 ケース込み 24時間 |
重量 | イヤホン片耳 4.9g ケース込み 55g | イヤホン片耳 5.4g ケース込み 45.6g |
ノイズキャンセリング | 効き弱め | 強力 |
外音取込み | 普通に使える | 自然 |
マルチポイント | OS問わず使える | Apple製品間のみ |
装着検知 | あり | あり |
ワイヤレス充電 | あり | あり |
充電端子 | USB-C | Lightning |
防水 | IPX4 | IPX4 |
対応コーデック | SBC / AAC | SBC / AAC |
amazonの評価 | (4.2 / 5.0) | (4.7 / 5.0) |
価格 | 6,990円 | 30,580円 |
販売サイト | Amazon 楽天市場 | Amazon 楽天市場 |
以上がスペック。Redmi Buds 3 Proは、AirPods Proよりも2万4,000円近く安いのに搭載されている機能はほとんど一緒。表面上のスペックだけで言えば、ここまでコスパ最強のイヤホンはない。しかも、汗や軽い雨を防げるIPX4の防水にも対応している。
とはいっても、AirPods Proと並んでいるのはあくまで「表面上」の話であって、実際に使ってみると価格なりの性能だなというのが正直な感想。
Redmi Buds 3 Proの外観
Redmi Buds 3 Proのケース外観は、丸みを帯びていて可愛らしい見た目でサイズ感はAirPods Proに近い。表面素材はサラサラしていてイイ手触り。持ったときにプラスチック感はあるものの、開閉部分にマグネットが使われていて動きの感覚もAirPods Proに近い。
RedmiBuds3 Proの本体とケース双方に磁石が付いていいるので、イヤホンをしまう時も磁石でパチッと気持ちよくハマる。これもAirPods Proと同じ。
正面は充電状況やステータス確認ができるLEDランプとペアリング時に使用するボタンが付いている。ワイヤレス充電にも対応しているので、家や会社に置いてある充電器に置いておけば充電できるのは嬉しい。俺は家に帰ってきたら画像のようにPixel Stand第2世代で充電している。
裏面はRedmiのロゴだけでシンプル。
真横から撮影した画像。高さは500円玉とほぼ同じでまぁまぁコンパクトな部類。
最近の製品では当たり前っちゃ当たり前だけど、充電端子はUSB-C。ワイヤレス充電と有線充電好きな方で充電できる。
イヤホン本体もケースと同じくサラサラした素材で作られている。
側面は宝石を意識したかのようなキラキラした仕上げになっており、デザイン的には若者や女性向けに振った印象。RedmiBuds3 Proに物理ボタンはないものの、この側面がタッチセンサーとして機能する。
デフォルトの設定は変更できないが、非公式アプリを入れることで「曲送り」や「音声アシスタント」に変更することも可能。
アプリを入れることによって、タッチジェスチャーに好きな設定を割り振ることができたり詳細な挙動設定を行えるようになる。非公式アプリのインストールに抵抗がなければ導入をオススメする。ただし、Android版しかないのと言語設定に日本語がないので注意。
装着面には左右の表記、マイク穴、充電端子を備える。イヤーピースはシリコン製。
前面にもマイク穴を備える。耳に装着するとボディが結構はみ出そうに見えるが、実際に装着してみても意外とそんなことはなかった。
このとおり耳への収まりは結構いいものの、個人的にはホールド感がなく落ちてしまうんじゃないかと不安になる装着感。とはいえ、装着しながら走っても実際に落ちることはなかったので「装着感が悪い」という範疇だった。
値段なりの製品と感じさせる3つのデメリット
6,990円で買えるRedmi Buds 3 Proは、搭載されている機能だけで言えば3万円のAirPods Proとマジで互角。とはいえ、実際に使ってみると「まぁ、6,990円だしこんなもんか」というのが正直な感想。
そう思わせる原因は、イヤホンとして一番大事な音質が微妙だったり、アクティブノイズキャンセリングの効きの微妙さが大きい。
迫力はなく面白みのない音質
Redmi Buds 3 Proの音質は正直なところ残念の一言。公式サイトでは「低音が豊かで澄んだ音」「高温がクリアで洗練された音質」とか言っているが、俺はこのキャッチコピーを書いたヤツに「正気か?」と言いたい。
俺が思うRedmi Buds 3 Proの音質は以下のとおり。
音質総評:音楽視聴に面白みはないけど、YouTube視聴には向いている
- よくいえばスタジオ系のフラットな音質
- 低音は弱めでクラブミュージックや重めのロックには向かない
- メインで鳴っているのは中音域だけど、音の分解感がいいわけではない
- 高音は伸びない
- 音に空間的な広がりはあまりない
- つまり、音楽視聴をするには面白みがない
- 低音と高音の主張がないので、YouTubeやNetflixのような「話を聞く」コンテンツは聞きやすい
傾向が近いイヤホン:iPhone付属のEarpodsの音質を少し悪くした感じ
7,000円のイヤホンなのでそこまで音質に期待できないと思っていたものの、予想以上にガッカリな音質だった。音楽を聞くにはあまりにも盛り上がらない音質なので、Redmi Buds 3 Proで音楽をほとんど聞いていない。
けど、音楽がダメな代わりに、YouTubeやNetflixのような人が話すコンテツやドラマとの相性は抜群にいい。というのも、高音や低音に特色のあるイヤホンだとセリフがキンキン聞こえたり、低音がボワボワして聞き取りにくいことがあるんだけど、Redmi Buds 3 Proにはそういうのが全くない。
普段の視聴コンテンツが動画に偏っている人であれば、音質は気にしなくてよい。
ノイズキャンセリングの効きは微妙
Redmi Buds3 Proは、7,000円という価格ながらノイズキャンセリングに対応している。ノイズキャンセリングが付いているのは1万円オーバーのイヤホンが多いので、この価格での搭載は素直に嬉しい。しかも35dbの低減。
と思っていたが、実際に使ってみるとノイズキャンセリングの効きは弱かった。効き具合は以下のとおり。
評価:ノイズキャンセリングの効きは良くない。体感でAirPods ProやSONY WF-1000XM4の半分くらい。
- 音楽再生しないと電車内のアナウンスやカフェの会話は聞こえる
- 音楽再生してもかすかに聞こえることがある
- 低音ノイズはわりと消せている
- 会話や高音のノイズはあまり消せない
- ノイズキャンセリングOFFだと思ったら、ONになっていたことも
レビューを書くために改めて試してみても、やっぱりノイズキャンセリングは弱めと感じた。
電車に乗っていて「あれ?外音取込みモードになってる?」と思ってモード変更すると、もともとノイズキャンセリングモードだったということがよくあり残念。
といっても、OFFにしたらしたで「ノイズキャンセリング全然効いてねぇな」となるので、効果はある。
よくよく考えたら、ノイズキャンセリング御三家のApple、BOSE、SONYいずれも何db低減されるのか全く公表していない。ノイズキャンセリングの〇〇db低減というのがいかに役に立たない指標なのか勉強になった。
ちなみに、外音取込みモードは、AirPods Proほどではないもののわりと自然に聞こえる。
ケースは傷がつきやすく、目立つ
外観説明のところでサラサラした質感がいいと書いたこのケース、めっちゃ傷つくのが難点。できるだけ傷がつかないように使っていても、1か月使うと上のような状態になった。
ちなみに、今までの画像は色味補正をしているけど、傷の状況をわかりやすくするために上の画像は無加工。
単純に傷がつくだけならまだしも、色が黒く変色するのでメチャメチャ目立つ。いまのところイヤホン本体に傷は付いていないけど、気になる人はカラーはブラックを選んだほうがいい。
マルチポイントは圧倒的に便利で戻れない
マルチポイントは簡単にいうと、2つのデバイスに同時接続ができる機能。俺がRedmiBuds 3 Proを買う一番の動機がこの機能だったんだけど、実際に使ってみると予想以上の便利さだった。
パソコンで音楽を聞きながら作業していた状態から、ソファに座ってスマホでYouTubeを見ようと思った場合も接続先の切り替えをする必要がないのでめっちゃ楽。
SONY WF-1000XM4、BOSE QC Earbudsといった3万円オーバーのハイエンド機すらマルチポイントには対応していないのに、7,000円のイヤホンに搭載してくるXiaomiは神。
マルチポイントとマルチペアリングは名前こそ似ているけど、使いやすいのは圧倒的にマルチポイント。
- マルチポイント
- 2台のデバイスに「同時接続」できる機能。
デバイスAと接続中にデバイスBで音楽再生したい時は、デバイスBの再生ボタンを押すと接続先が自動で変わる。
また、デバイスAで音楽再生中に、デバイスBに着信があった場合もデバイスBに接続先が自動で変わる。
- 2台のデバイスに「同時接続」できる機能。
- マルチペアリング
- 2台以上のデバイスにペアリングした記録を「同時に残しておける(登録)」機能。
デバイスAと接続中にデバイスBで音楽再生したい時は、デバイスBのBluetooth接続設定画面を開いて接続先を手動で変えるかデバイスAのBluetoothをOFFにする必要がある。
また、デバイスAで音楽再生中に、デバイスBに着信があった場合は接続先を手動で変えない限り、同じイヤホンで電話に出ることができない。
- 2台以上のデバイスにペアリングした記録を「同時に残しておける(登録)」機能。
いままでイヤホンを選ぶ時は、音質とノイズキャンセリングの効きを重視していたけど、今後はマルチポイント対応じゃないと買う気がしなくなった。スマホとPC、iPhoneとAndroid2台持ちなど複数デバイスを使う環境なら絶対にオススメ。
意外なことに通話品質はAirPods Proよりも上
RedmiBuds 3 Proの公式の記述には裏切られてきたけど、通話品質が良いのはホント。友人3人に付き合ってもらい通話品質テストを行ったが、AirPods ProよりもRedmiBuds 3 Proのほうが聞き取りやすいと全員が答えた。
サンプル数としては少ないものの、寄せられた感想は以下のとおり。
総評:音質そのものは同レベルだが、Redmi Buds 3 Proのほうが声が大きく聞こえノイズも少ない。
- 音質そのものに大きな差はなく、どちらも声はこもりがち
- 声を拾う性能はRedmi Buds 3 Proの方が高いため、結果、声が大きく聞こえる
- 周囲のノイズ処理はRedmi Buds 3 Proの方が上手く、会話がクリアに聞こえる
ノイズキャンセリング機能はAirPods Proの圧勝なので、通話品質もAirPods Proが勝つと思ったもののRedmi Buds 3 Proの方が通話品質がよかった。意外な結果。
しかし、通話品質がいいと言ってもあくまでも完全ワイヤレスのレベル。社外の人とリモートで打ち合わせをする時や社内の重要なリモート会議で使うには心もとないので、過信しすぎない方がよい。
まとめ:音質を求めず、ノイズキャンセリングも程々でいいなら買い
ここまでXiaomiが作ったRedmi Buds 3 Proの良いところ・悪いところをレビューしてきた。
改めてRedmi Buds 3 Proを振り返ると以下のとおり。
Redmi Buds 3 Proは低価格ながらも、3万円オーバーのハイエンド機が搭載している機能は全部盛り込まれている。
- ノイズキャンセリング
- 外音取り込み
- マルチポイント
- 装着検知
- IPX4(生活)防水
それどころか、ハイエンド機もほとんど対応していないマルチポイント機能もある。音質が平凡であること、ノイズキャンセリングが弱めであることを考えても、これで6,990円は破格。
音質・ノイキャンとそれ以外の機能を天秤にかけて、それ以外を重視するのであれば「買い」なイヤホン。
とくに、全部入りでとにかく安いイヤホンを探している人や俺のようにマルチポイントを試してみたい人には、Redmi Buds 3 Proをオススメできる。
このレビューが購入の参考になれば嬉しい。
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