SONYから耳の中に入れる部分の真ん中がドーナツのように空いた、奇抜な見た目のイヤホンが発売された。どうやら遮音性をあえてゼロにすることで、音楽を生活の音に溶け込ませるのがコンセプトらしい。
名前はSONY LinkBuds、キャッチコピーは「聴きながら聞こえる」。
形状、コンセプト、キャッチコピーどれをとってもガジェオタの心を撃ち抜くには十分すぎる製品だった。イロモノ系イヤホンはクソ製品であることが9割なので、金ドブにするかもと思いながらも俺は自制することができず購入してしまった。
ということで、最悪クソでもお焚き上げレビューできるからいいやと発売日に購入し、3か月使用してきたのでレビューをしていく。
結論、コンセプトはいいし独自機能も使いやすかったが、視聴体験はその辺のインナーイヤー型と変わらなかったので、正直、Airpods 3でいいなと思ってしまった。
- ずっと着けていられる装着感の良さ
- 3つのスマート機能のおかげで「ながら聴き」が捗る
- 怖いくらい高品質なマイク性能で会議もバッチリ
- 使用感は普通のインナーイヤー型と変わらない
- お値段23,000円だが音質は良くもなく、悪くもないレベル
- 長時間つけていられる装着感だけど、バッテリー持ちは悪い
- 充電ケースがイケていない
SONY LinkBudsのスペック
SONY LinkBudsは「聴きながら聞こえる」という今までにない面白いコンセプトをしている。それゆえ見た目からもイロモノ感が漂い、買うのにちょっと抵抗がある。ということで、まずは一般的なイヤホンとどれくらいカタログスペック差があるのか比較をしていく。
比較対象は、同じインナーイヤー型でついこの間まで価格も近かったApple AirPods 3と、同じSONY製のフラッグシップ完全ワイヤレスイヤホンのWF-1000XM4を用意した。
WF-1000XM4は耳の奥まで入れるカナル型で正直イヤホンのジャンルが違うので、AirPods 3との比較で重点的にみてもらえればと思う。
商品名 | SONY LinkBuds | AirPods 3 | SONY WF-1000XM4 |
カラー | ホワイト グレー | ホワイト | プラチナシルバー ブラック |
タイプ | インナーイヤー型 | インナーイヤー型 | カナル型 |
音の傾向 | かまぼこ (中音強め) | フラット | ドンシャリ (低音・高音強め) |
バッテリー | イヤホン単体 5.5時間 ケース込み 17.5時間 | イヤホン単体 6時間 ケース込み 30時間 | イヤホン単体 8時間 ケース込み 36時間 |
重量 | イヤホン片耳:4.1g ケース込み:42g(実測) | イヤホン片耳:4.3g ケース込み:38g | イヤホン片耳:7.1g ケース込み:55g |
ノイズキャンセリング | なし | なし | あり |
外音取り込み | 無しだが自然に入る | 無しだが自然に入る | マイクで自然 |
複数台接続 | マルチペアリング | マルチポイント (Apple製品間のみ) | マルチペアリング |
装着検知 | あり | あり | あり |
ワイヤレス充電 | なし | あり | あり |
防水 | IPX4 (生活防水) | IPX4 (生活防水) | IPX4 (生活防水) |
対応コーデック | SBC / AAC | SBC / AAC | SBC / AAC / LDAC |
特色 | ながら聞き特化 | Apple間の相性抜群 | NC・音質最強 |
amazonの星 (小数点は二捨三入) | (4.1 / 5) | (4.6 / 5) | (4.6 / 5) |
定価(税込) | 23,100円 | 27,800円 | 33,000円 |
販売サイト |
Amazon
楽天 Yahoo |
Amazon
楽天 Yahoo |
Amazon
楽天 Yahoo |
LinkBudsはわりと尖ったコンセプトなのでかなり特殊なスペックかと思いきや、意外なことにほかのイヤホンと比較すると普通。表を作りながらびっくりするくらい普通。そして実際に使ってみても思ったよりも普通。
もちろんさすがSONYと言いたくなるような独自機能があったりするんだけど、その辺のインナーイヤーイヤホンと使用感がほぼ同じなので、正直、目新しさはなかった。
SONY LinkBudsの外観
SONY LinkBudsの外観を見ていくが、まずはケースから。これは手に持った画像だけど、ケースサイズ自体はかなり小さめ。
LinkBudsのケース正面。正面には開閉ボタンと指のとっかかりの切り欠き兼LEDライトがある。SONY上位機種のWF -1000XM4やAirPods 3のようなマグネットでフタを開閉するタイプと違い、ボタンを押しながらじゃないとフタが開かない。
ポジティブに考えれば誤って開いたりすることがないからいいんだけど、ケースを開けるだけでいちいち両手を使わなくては行けないのが地味に面倒。
ケースを右側面から見た画像。反対側の側面も含めてこれといった機能はない。
ケース背面。ペアリング用ボタンとUSB-Cを搭載。ここ数年でApple製品以外の小物ガジェットほぼ全てがUSB-Cに統一されてきて嬉しい。
ちなみにケース裏面はこんな感じ。Made in マレーシア。
LinkBudsのケースを開けるとこんな感じでイヤホン本体が鎮座している。AirPodsのようにイヤホンを縦に刺すようにして充電するタイプではなく平置きなので、ケース自体の奥行きはある。その分、厚みが薄ければよかったんだけど、比較的厚めなのは残念。
LinkBuds本体の画像。全体的に独特な形状をしており後ろ半分にチップがいろいろ詰まっていて、実際に音が鳴るのはメタリックになっている前半分。前半分を耳の穴に入れて使う。
音を鳴らすドライバー部分はドーナツ形状で、真ん中にポッカリと穴が空いている。この穴のおかげで一般的なインナーイヤー型イヤホンに比べて耳を塞ぐことがなく、外音をより多く取り込めるという発想。ただしこれも正直コンセプトどおりの機能はしておらず、AirPods 3とかと変わらない。
LinkBudsの本体裏側はこんな感じ。耳に当たるぶぶんはプラスチック素材なので硬め。ボディが小さいのでほとんどの人は大丈夫だと思うけど、耳の穴が小さい人はボディと耳が当たって痛くなる可能性はある。
裏面には近接センサーも付いているので、LinkBudsを耳から外せば自動で再生が止まる。またイヤホン本体に左右表示もされていて、写真はグレーだけど右耳は赤で「R」書いてあって見分けはカンタン。
ちなみに、ひとつ前の画像でLinkBudsを持つときに俺が摘んでいたのがフィッティングサポーター。これがあると耳の設置面が広くなり、フィット感が向上する。サイズはXS~XLの5種類と充実しているので、自分のサイズに合わせやすい。
これはLinkBuds本体を取った後のケース。本体と同じくケース側にも左・右の表示がある。また当たり前だけど、XLサイズのフィッティングサポーターをつけていても本体を収納できるようになっている。ただし、俺的にはイヤホンを取り出しにくかったり、無線充電ができなかったりとケースには3つほど不満があるのでデメリットの項目も読んでほしい。
SONY LinkBudsのメリット
SONY LinkBudsは「聞きながら聞こえる」をキャッチコピーに、2万円を超えるお値段ながら「あえて遮音をしない」という尖ったコンセプトでガジェット界隈を盛り上げた。こういうガジェオタが盛り上がる製品はニッチだったり、未来は感じるけど正直使いにくいということがよくある。
が、さすがはイヤホン界で実績のあるSONYなだけあってLinkBudsの使い勝手完成度はかなり高い。個人的に気に入ったのは以下の3つ。
ちなみに遮音性がなく外音が聞こえることについては、メリットとして触れていないがデメリットで解説している。もちろん「LinkBudsは遮音性がない!」とか当たり前のことを書いているワケではないので安心してほしい。
ひとまずここではメリットの解説をしていく。
ずっと着けていられる装着感の良さ
SONY LinkBudsは「聴きながら聞こえる」というコンセプトからして、着けているのを忘れられる自然な装着感が求められる。これに対してSONYはしっかりコンセプトどおり打ち返してきており、装着感はバツグン。
着けているのを忘れるとまではいかないが、装着していて全く不快感はない。あるのは感じるけど集中を邪魔しない。そんな付け心地。そして耳の奥まで入れるカナル型と違っていいなと思ったのがこのドーナツ形状。
この形状のおかげで外音が聞こえるのはモチロンなんだけど、耳を密閉することがないので長時間つけっぱなしにしていても耳のトラブルにつながることがない。
これは在宅ワーカーにとってはかなりメリットがある。というのも、耳の奥まで入れるカナル型イヤホンは遮音性が高い代わりに耳の穴が蒸れてしまい、外耳炎になる人が増えているんだ。
でもLinkBudsならそんな心配はいらない。穴が空いているから通気性は抜群で蒸れることはゼロ。このあと紹介するマイク性能の良さも相まって、仕事で使うにはオススメ。
3つのスマート機能のおかげで「ながら聴き」が捗る
SONY LinkBudsをただのオープン型のイヤホンでなく「ながら聴き専用機」にまで押し上げているのが、スマート機能の存在。ほとんどはSONYが前から採用している既存の技術なんだけど、それらがLinkBudsのコンセプトと絶妙にマッチしている。
そんなスマート機能のうち主だったものは以下の3つ。
- ワイドエリアタップ
- スピーク・トゥ・チャット
- アダプティブボリュームコントロール
これらイヤホン操作を快適にする機能のおかげで音量調節や再生・一時停止をする機会が減り、LinkBuds自体がより生活に溶け込んでいる感覚になる。
それぞれの機能を簡単に紹介する。
頬骨を叩いて曲送りできるワイドエリアタップ
完全ワイヤレスイヤホンは本体サイズが小さいため、曲送りや再生・一時停止をするときにイヤホン操作をしにくいのがどの製品も共通の課題。Apple AirPods 3のようにうどんが伸びているタイプならまだしも、LinkBudsのような耳から出る部分がないタイプだと、とくに操作性が悪い。
が、SONYはこの問題を「ワイドエリアタップ」機能で見事に解決した。SONYのアプリ上でワイドエリアタップをオンにすれば、イヤホン本体を触らなくても頬骨のあたりをタップればイヤホン操作ができる。
2回タップ・3回タップの操作があり、主に以下の機能をアプリ上で設定することができる。
- 再生/一時停止
- 曲送り/曲戻し
- 音量上げ/音量下げ
- 音声アシスタントの起動
ワイドエリアタップのおかげで、大雑把に頬骨あたりを叩けば操作できるようになったので、ピンポイントでイヤホンを操作する従来機に比べてめちゃくちゃ使いやすい。控えめに言って最高。
台所で洗い物をしながら濡れた手で頬骨あたりをタップすれば曲飛ばしができるし、歩きながらの操作もラクラク。そして何より未来を感じる。俺的にはこれが一番嬉しい。
ただしワイドエリアタップをONにすると、動作検出のためにセンサー感度がかなり高くなるようで、髪や顔を触ったりしたタイミングで曲飛ばしされることもあるので注意。俺的にはこのデメリットを考えても、余裕で今後発売される全てのイヤホンにつけてほしいと思える機能だった。
スピーク・トゥ・チャットで会話時も外す必要がない
スピーク・トゥ・チャットはLinkBudsで音楽を聴いている時でも、何か喋れば自動的に音楽が止まる機能。しかも喋り終わってからも一定時間(初期設定は15秒。5秒か30秒からも選べる)は、停止したままにしてくれるし検出精度も高い。
この機能によりLinkBudsを装着しながら会話ができるようになる。失礼かどうかはさておき、コンビニで「ファミチキください」という時もイヤホンを外す必要がないし、「袋入りますか?」と問われても音楽再生が自動停止しているので聞き返すことなく返答できる。
ただしスピーク・トゥ・チャットは、こちらが喋った時にしか有効にならないことには注意。なので相手に話しかけられた時は、視聴中の音楽で相手の話が聞こえず、初手はほぼ確実に聞き返すことになる。自分の用があるときだけ一方的に話しかけて、相手から話かけてきたときは聞いていないイヤなヤツなってしまうので、家の中や職場で使うときは音量を小さくするか草食動物並みの視野の広さと聴力で乗り切ってほしい。
自動で音量調節してくれるアダプティブボリュームコントロールはあまり使えない
アダプティブボリュームコントロールは、周囲の環境音の大きさに合わせてSONY LinkBuds側の音量を自動で調節をする機能。通勤中やランニング中に交通量が多くうるさい道路の近くを歩いている時は音量が大きくなるし、静かなオフィスにつけば音量が小さくなる。
調節タイミングは環境音の変化がそれなりの時間継続してからなので、頻繁に音量が変わりすぎてウザイと思うこともないし、イヤホンやスマホを取り出して音量を変更する機会は減る。
一方で俺個人としては、アダプティブボリュームコントロールには全くお世話になっていない。
コンセプトが「聴きながら聞こえる」なので「ながら聞き」をするユーザーの使用を想定していると思うけど、ながら聞きをしたいタイミングって家の中や職場だったりほとんどが屋内の需要。むしろ外にいる時は、自分だけの空間を確保するために外音をシャットダウンするためにイヤホンを使う。
そうだとすると、家の中やオフィスで大きな環境音変化はほとんどないので死に機能となってしまう。実際、LinkBudsを家事やこうやってブログを書くとき用としての購入した俺としては、全く利用できていない。
LinkBudsをランニングで使うつもりの人や外でもバリバリ使うっていう人にはアリかもしれない。
怖いくらい高品質なマイク性能で会議もバッチリ
SONY LinkBudsは音楽そのものの音質にこだわっていないので、通話音質も微妙かと思いきやこれがメチャメチャいい。俺が持っているAirPods Proのマイク性能よりも断然いいし、SONYフラッグシップのWF-1000XM4よりも上質なマイクを備えている。
それがわかりやすいのが以下の動画。
これは公式動画なんだけど、公式PRでありがちな誇張表現とか一切なくマジでこのレベルの集音性。ホントは自分で音声撮影をしようと思ったけど、あまりにも公式の出来が良すぎてそのまま採用させてもらった。
これだけのマイク性能があれば在宅ワークやコワーキングスペースでの会議はもちろん、極論、渋谷のスクランブル交差点のど真ん中や地下鉄車内でも会議参加できる。
ただし、ウルサイところでの会議で注意してほしいのはLinkBudsの遮音性がないこと。あまりにウルサイところにいるとこちらの声は相手に届いても、相手の声が全く聞き取れない。
SONY LinkBudsのデメリット
SONY LinkBudsはあえて遮音性をゼロにすることでながら聞きに特化させた、SONYの中でも挑戦的な商品。それゆえにかなり尖ったデメリットがあるかと思いきや、意外とそうでもなく地味なデメリットを積み重ねている感じ、
主なデメリットは以下の3つ。
革新的な見た目であるにもかかわらず一般的なインナーイヤーと使用感が変わらないのは正直残念だった。またバッテリーと充電ケースの2つは、もうちょっと頑張ってくれればデメリットにならなかったので残念に思う。
というわけでデメリットを順番に語っていく。
使用感は普通のインナーイヤー型と変わらない
SONY LinkBudsはイヤホン本体をドーナツ形状にして、あえて外音を積極的に取り込む発想は斬新で面白い。
俺はそんな斬新さと「聴きながら聞こえる」というコンセプトに、SF映画で出てくる耳元で自然にBGMを流し続けてくれたり、そっと通知を読み上げてくれたりする未来を夢見た。
が、実際にLinkBudsを使ってみるとコンセプトから思い描いたワクワク感がまったくない。得られる体験も新しくない。そう、”聴きながら聞こえない
”んだ。
音量が小さければまだしも、音量50%を越えると”聴く”1択になる。それなりの音量で音楽を聞いていると誰かに話しかけられても反応できない。
冷静に考えればLinkBudsのように本体真ん中の穴から外音が入ってこようが、インナーイヤー型のように本体側面の隙間から入ってこようが耳に入れば同じ音。もちろんそれなりに音量を絞れば「聴きながら聞こえる」。
でもそんなの他のインナーイヤーも一緒で、別に全然新しくない。
あと、めっちゃ当たり前の話なんだけど、LinkBudsはかなり音漏れする。目安は音量50%くらいから隣の人に聞こえるレベル。これは形状からしてほぼ開放型イヤホンである以上は仕方がない。
そんなこんなでLinkBuds独自の優位性というと、ワイドエリアタップ機能とマイク性能くらいになってしまう。どうせ使い心地が同じなら、同価格帯でもっと選択肢があるよねっていうのが俺の結論。AirPods 3でいい。
お値段23,000円だが音質は良くもなく、悪くもないレベル
SONY LinkBudsのコンセプトは「ながら聴き」に特化ではあるものの、イヤホンである以上音質評価は避けられない。
俺評価的ではインナーイヤーにしては音がいい……が、定価23,000円と考えれば同等やそれ以上に音がいいイヤホンは他にもあるよねっていう感じ。音質の傾向は中音域がメインのいわゆる「かまぼこ型」。s
かまぼこ型は中音域の主張が強く、低音域と高音域は弱め。ボーカルが強調されるので、ジャンル的にはバラードのような歌モノが向いている。
他人のレビューを読んでいて音質面の言及で一番多いのが、低音スカスカと言われていること。たしかに低音重視ではないけど、個人的には想定内。というのもLinkBudsのようなインナーイヤ型は、耳を完全に密閉するカナル型と比べるとその特性上どうしても低音が強く聞こえない。
そんな中でカナル型と低音勝負させてしまうのは流石に酷。
ちなみにLinkBudsはイコライザ設定をすることができるので、気持ちばかりではあるが低音を持ち上げることもできる。ただし、重低音にはならないし低音を持ち上げるとより外音が聞こえにくくなるので少し考えもの。
改めてだけど、LinkBudsの音質は良くもないし悪くもない。ただ、値段を考えると音質的なコスパは良くないので、音質を重視するなら最近値上げしたけどAirPods 3の方が音質はいいし、もう4,000円ほど出せばカナル型ではあるが音質最高峰のWF -1000XM4も買える。
音質もこだわりたいのであれば、他をあたった方がいい。
長時間つけていられる装着感だけど、バッテリー持ちは悪い
SONY LinkBudsは音楽試聴がメインではなく、生活のBGMとして音楽を再生するというのをコンセプトとしている。そのため長時間の装着を明らかに意識しており、装着感はかなりいい。
が、それゆえに気になってしまうのがバッテリー持ち。
LinkBudsの音楽再生の持続時間は公称5.5時間。この数値だけを見ればわりと長く思えるものの、実際にはSONY Headphonesという公式アプリを使って色々カスタマイズしていると再生時間がどんどん短くなる。
俺自身も休日に家でLinkBudsをつけている時間は長いが、だいたい3時間30分くらいでバッテリー切れとなる。Twitterを覗いてみても同様の感想を持った人がいた。
また、LinkBudsをリモート会議や通話目的で使う人は、通話使用時の最大は2.5時間しか持たないことに注意してほしい。リモートワークが浸透してきた昨今、かえって気軽に会議設定されることがよくあるがLinkBudsを使って仕事しながらそのまま会議に入ると途中でバッテリー切れになる恐れがある。
色々ねだりすぎかもしれないが、これだけ生活に溶け込むことをコンセプトにしているのであれば、音楽再生でWFー1000XM4並みの連続8時間再生をなんとか実現してほしかった。後継機種が出るのであればバッテリー面の改善は期待したい。
充電ケース3つのクソポイント
SONY LinkBudsのイヤホン本体は独自の形状でだったり装着感は好き嫌いがわかれるのはわかる。が、充電ケースについては自信を持ってクソだといえる。イヤホン本体の設計に時間使いすぎて、3日でテキトーに作ったのかなと疑うレベル。
そんな感想を抱いた要因が以下の3点。
- 無線充電に対応していない
- ボタンを押して開けるアナログ機構
- イヤホンを取り出しにくい
それぞれ解説していく。
無線充電に対応していない
俺は家と職場にそれぞれ無線充電器を配置しており、イヤホンやスマホは置くだけで充電ができる環境を整えている。そういった無線充電の環境を整備すれば、デバイスを決まった位置に置くだけでいつでもフル充電で使えてとにかく便利。
なんだけど、めっちゃ残念なことにSONY LinkBudsは定価23,100円にもかかわらず無線充電には対応していない。ハッキリ言って「この価格でなんで未対応?」という感想。
世の中には無線充電に無理やり対応させるレシーバーも売ってはいるんだけど、LinkBudsのケースには大きすぎて使えない。
日常に溶け込むことをコンセプトにしているLinkBudsだからこそ、イヤホン本体だけでなく充電ケースも「日常的な使いやすさ」を追求してほしかった。そもそも今時無線充電なんて中国製激安イヤホンでも対応しているんだから、定価約23,000円ならもう少し頑張れただろと思う。
ボタンで押して開けるアナログ機構
細かいところだけど、ケースの開閉方式がボタンなのは地味に残念だった。使いやすけりゃいいんだけど、いちいち片手でボタンを押しながらもう一方の手でケースを開く動作をしなくてはいけないのが面倒。
しかもボタン周りの質感があまりよくなく、開けられる程度に押し込めているのかどうかよくわからないし、何より締めた時のパチッという音が安っぽい。
ここは素直にWF -1000XM4と同じくマグネットにしてほしかった。それなら片手で開けてもう一方の手でイヤホン本体をスッと取り出せてスマートだったのに。
イヤホンが取り出しにくく落としそうになる
SONY LinkBudsはケースから取り出すときにつまみにくく、お世辞にも取りやすいとはいえない。この要因は2つあって、1つがLinkBuds本体が小さい上にサラサラしていることと、もう1つがケースの窪みが浅いこと
LinkBudsはサラサラ小さい本体を直につまんで引き出すことができないため、まずは爪で引っ掛けて起こしてからつまみ直すように取るんだけど、その時にケースの窪みの浅さが悪い方向に働いてすぐにケースから落ちてしまいそうになる。
その上、ケースを開いたフタがちょっとの力でカパカパ動くので、それも地味に出し入れのしにくさにつながっている。
俺はSONY LinkBudsを家でしか使ってないから落としても別にノーダメージだけど、外で使うつもりの人は注意してほしい。
逆にイヤホンをしまうのは窪みも浅く、位置調整不要でポンっと置けば定位置に収まってくれるのでやりやすい。この使いやすさを取り出すときにも発揮してほしかった。
まとめ: 新しい物好きにはいいけど、実用性はAirPods 3でも変わらない
ここまでSONY LinkBudsの良いところも悪いところもレビューしてきた。改めてまとめると以下のとおり。
LinkBudsは耳をふさがないドーナツ形状の特徴的なドライバーと「聴きながら聞こえる」というコンセプトが尖った製品。だけど残念なことに、コンセプトは面白いんだけど実際の使用感はその辺のインナーイヤー型イヤホンと変わらない。
それなら割高なSONY LinkBudsを買うより、もう少し出してAppleデバイス間の連携最強なAirPods 3や完全ワイヤレス最高水準のWF -1000XM4を買った方が幸せになれるよねっていうのが俺の率直な感想。
一方で、頬骨タップでイヤホン操作ができるワイドエリアタップは全てのイヤホンに搭載してほしいくらい使いやすいし、マイク集音性と会話ノイズキャンセリング機能はイヤホンとしてはトップクラスの性能。
音にこだわる人は他のイヤホンを買った方がいいけど、テレワークやオフィスでのながら聴き、会議用マイクとして使いたい人には自信を持ってオススメしたい。
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