俺が骨伝導イヤホン界最高級品のShokz OpenRun Proを購入してからわずか3日後、世界初の「軟骨伝導イヤホン」オーディオテクニカ ATH-CC500BTが発表された。聞くところによると軟骨伝導は骨伝導が進化した技術で、音質・バッテリー効率・ボディの小型化の全てにおいて骨伝導を上回るのだとか。
普通だったら購入直後に最新技術搭載機の発売は悔しい。
が、俺はブロガー兼YouTuber。むしろ“世界初の軟骨伝導イヤホン”と“業界最高峰の骨伝導イヤホン”の新旧技術対決ができるこの状況を喜んでいた。
災い転じて福となす、怪我の功名とはまさにこのこと。
というわけで、手元に軟骨伝導のATH-CC500BTとフラッグシップのOpenRun Proが揃ったので、比較レビューをしていく。
なお、結論を先にいうと音質こそ負けるものの、買うなら絶対Shokz OpenRun Proをオススメする。そのワケはこの先のレビューを見ていってほしい。
- 音質は骨伝導よりも断然いい
- 一日中余裕で使えるバッテリーライフ
- 1時間30分使うと耳が痛くなる
- デザインがダサい
- ボタンの押し心地と操作感が微妙
- 最大音量が小さく音量不足になることがある
- ながら聴きで仕事や家で話かけられても反応できる
- 1日中つけていられる装着感
- 最大音量が大きく、外でも使える
- 値段の割に音質は良くない
- 音漏れは激しい
- WEBミーティング用アプリによっては相性が悪い
結論:買うならShokz OpenRun Proが圧倒的にオススメ
オーディオテクニカ ATH-CC500BTは世界初の軟骨伝導イヤホンであるため、話題性が高く骨伝導イヤホンを買おうと色々調べてくるとちらほら目にする。
そこで湧き起こるのが世界初の軟骨伝導オーディオテクニカ ATH-CC500BTと世界最高の骨伝導Shokz OpenRun Proどっちが最強なの?という「ほこたて」問題。
結論、この2択で選ぶなら俺は圧倒的にShokz OpenRun Proをオススメする。
ATH-CC500Bの音質は骨伝導ジャンルでは頭ひとつ飛び抜けていい。なんだけど、それ以外のところに使いにくさをめちゃくちゃ感じてしまって、なかなか使う気にならない。たとえば、最大音量がOpenRun Proの半分程度とかなり小さかったり、操作性(UI)が悪かったり、そもそも装着感が悪くて長時間つけていられないなど荒削りな感じ。
それに対してShokz OpenRun Proは、2011年から骨伝導イヤホン一筋で作っているShokzなだけあって、ATH-CC500BTのような使いにくさが全然ない。
最大音量が大きいので重要なWEBミーティングや外使いでも音量不足にはなりにくいし、操作性は良好だし、装着感もいいので1日中つけていても多少の違和感が出るレベルで痛みにまではならない。
ATH-CC500BTよりも約6,000円高いものの、価格差の価値はある。具体的にどのような差があるのかはこの記事でじっくり解説していく。
オーテクATH-CC500BTとShokz OpenRun Proのスペック
オーディオテクニカ ATH-CC500BTとShokz OpenRun Proの両者の実際の使用感はあとからめっちゃ語っていくんだけど、まずは定量的な比較ができるスペックから見ていく。
商品名 | オーディオテクニカ ATH-CC500BT | Shokz OpenRun Pro |
カラー | ブラック ベージュ | ブラック ブルー ベージュ ピンク |
タイプ | 軟骨伝導 | 骨伝導 |
重量 | 35g | 29g |
バッテリー | 音楽再生:20時間 通話:10時間 | 音楽:10時間 通話:非公開 |
急速充電 | 対応 (10分充電=2時間使用) | 対応 (5分充電=1.5時間使用) |
複数台接続 | マルチペアリング | マルチペアリング |
装着検知 | なし | なし |
充電端子 | USB-C | 専用マグネットケーブル |
防水 | IPX4 汗、弱い雨程度 | IP55 強めの雨 |
対応コーデック | aptX AAC SBC | SBC |
特色 | 骨伝導の中では1番の良い音質 | 圧倒的に装着感がいい |
amazonの星 (小数点は二捨三入) | (3.6 / 5) | (4.5 / 5) |
定価(税込) | 17,600円 | 23,880円 |
販売サイト |
Amazon
楽天 Yahoo |
Amazon
楽天 Yahoo |
オーディオテクニカ ATH-CC500BTとShokz OpenRun Proは同じカテゴリの商品だけあって、搭載された機能は互角。なんならATH-CC500BTの方がカタログ上は、OpenRun Proよりも優れている。
スペック上の大きな違いだけ切り出すと以下のとおり。
- オーディオテクニカ ATH-CC500BT
- 最大20時間のバッテリー(OpenRun Proの2倍)
- aptX対応で高音質かつ遅延に強い
- Shokz OpenRun Pro
- 強めの雨程度なら問題ない防水性能(ATH-CC500BTよりも一段上の性能)
カタログだけを見てわかる事前情報は以上なんだけど、大事なのは「カタログスペックでわからない部分」。この差が大きすぎたために、俺はOpenRun Proをオススメしている。
俺のようなガジェオタはスペックに囚われがちだけど、実際の使用感が一番大事だなと改めて勉強になった。
オーテクATH-CC500BTとShokz OpenRun Proの外観
イヤホンの外観はデザイン的に重要なのはもちろんなんだけど、形状は装着感に直結する。とくに骨伝導イヤホンは、長時間装着が前提となる「ながら聴きデバイス」なので形状は超重要。
というわけで、まずはオーディオテクニカ ATH-CC500BTとShokz OpenRun Proの外観から比較をしていく。
双方を正面から見比べると、耳に当てる振動子と呼ばれる部品のゴツさが全然違う。Shokz OpenRun Proの方がデザイン的にも実際の大きさ的にもスリムに作られている。
側面から見た画像で左がオーディオテクニカ ATH-CC500BTで、右がShokz OpenRun Pro。振動子のサイズもそうだけど、バッテリーボックス部分のサイズもかなり違う。後述するけど、このサイズの違いが装着感に大きく影響する。
後ろから見てもゴツさが違う。ケーブルもShokz OpenRun Proの方がだいぶ細くできている。
正面のボタン部分の違い。オーディオテクニカ ATH-CC500BTは、ボタンが小さく硬めの押し心地で操作感は微妙。対してShokz OpenRun Proは、ボタンも大きく押しやすい。
ちょっと見にくいけど振動子の厚み比較。ATH-CC500BTはOpenRun Proの1.5倍くらいの厚さがある。
さっきも少し話したけど、バッテリーボックスの違い。こう並べるとOpenRun Proの方が装着感がいいのも頷ける。
これは操作部分の比較。右側のShokz OpenRun Proの方がボタンが大きく押しやすい。これもあとで詳しく話している。
装着した時のイメージはこんな違い。オーディオテクニカ ATH-CC500BTはデザイン的にも大きさ的にも存在感があるが、Shokz OpenRun Proはシンプルに目立たない方向のデザイン。
オーテクATH-CC500BTとShokz OpenRun Proの比較
ここから先は、世界初の軟骨伝導イヤホンのオーディオテクニカ ATH-CC500BTと骨伝導最高のShokz OpenRun Proの実際の使用感を比べる。
比較していく項目は以下のとおり。なお、各項目でどちらが優れていると思うかも併記した。
- 音質:ATH-CC500BT
- 装着感:OpenRun Pro
- 最大音量:OpenRun Pro
- 音漏れ:ATH-CC500BT
- バッテリー:ATH-CC500BT
- 充電方式:引き分け
- 操作性:OpenRun Pro
どの項目を重視するかによって、どちらの骨伝導イヤホンがいいかは変わってくると思う。というわけで詳細を解説していく。
音質:ATH-CC500BTの方が明らかにいい
ここでレビューしているオーディオテクニカ ATH-CC500BTやShokz OpenRun Proは、あまり音質が重要視されない「ながら聴きデバイス」に分類される。
が、どうせ安くない金を払ってわざわざ装着するなら少しでもイイ音質で聴きたいというのも当たり前。というわけで両者の音質比較を行った。
結論から言うと音質は明らかにオーディオテクニカ ATH-CC500BTの方が良かった。
オーディオテクニカ ATH-CC500BT:耳にスピーカーをつけた感覚
ATH-CC500BTは「いい音」を一番の強みとしてマーケティングしているだけあって、骨伝導イヤホンとしてはマジで音がいい。実際に聴くとまるでスピーカーで音楽を聴いているような自然な感覚。
右から聞こえてくる音はしっかり右から聞こえるし、左もまた然り。しっかりステレオ感がある。
これは軟骨伝導特有の鳴り方で、鼓膜をスルーして蝸牛(音を感じ取る器官)を直接揺らす骨伝導と違って、鼓膜を通して蝸牛を揺らすからなんだ。つまり普段の生活で音を聞くプロセスと全く同じ。なので骨伝導が苦手とするステレオ感もある。
実際にはじめてATH-CC500BTで音楽を聞いた時は「これが軟骨伝導のチカラか……」と驚かされた。骨伝導イヤホンジャンルの中では間違いなくトップの音をしている。
音の傾向としては中音/ボーカル域がメインで、続いて高音といった感じ。低音は「質」自体はいいものの、量が少なくベースやドラムは聴こえにくい。一応、オーディオテクニカ公式アプリを使えばBass Boostをかけられるので、それを使えば多少はマシになる。
- 得意ジャンル:ジャズ、バラード、ボーカルや中音域メインの曲
- 苦手ジャンル:ロック、EDM、そのほかの低音重視系ジャンル
ただし、音質には過度な期待はしないでほしい。ここでいうトップクラスの音質というのは、あくまでも骨伝導ジャンルに限った話であって、普通のイヤホンで考えると2,000円レベルの音しか出ないので注意してほしい。
音質の詳細はオーディオテクニカ ATH-CC500BTレビュー記事で書いているのでそちらも参照してほしい。
Shokz OpenRun Pro:低音好きはこっち
Shokz OpenRun Proは、骨伝導業界シェア率81.2%とぶっちぎりトップのShokz社のハイエンド/フラッグシップモデル。正直、音質的にはATH-CC500BTには敵わない。両者には骨伝導と“軟”骨伝導の技術の差を感じる。
が、俺的にはShokz OpenRun Proの低音が効いた音質の方が好きだし、低音の量を求めるタイプなら間違いなくATH-CC500BTよりもオススメ。
低音の質で言うとATH-CC500BTには劣るものの、量で言えば圧倒的にOpenRun Proの方が多い。というのもOpenRun Proは普通に聞こえてくる低音もあるんだけど、振動子がサブウーファーのように震えて骨を揺らすような低音を感じられるのがいい。
骨伝導だから骨を揺らすのは当たり前だろって話ではあるんだけど、OpenRun Proの振動はそれ以上の何かを感じる。うまく言語化できないのが悔しい。
ただし難点もあって、低音が強いと言ってもあくまで「骨伝導の中では」って話だし、サブウーファー的な揺れは慣れるまでは少しくすぐったかったりもする。
また骨伝導特有の弱みであるステレオ感の弱さは克服できていない。なので、軟骨伝導に比べると頭の中で音が鳴っているような感覚に近い聴き心地となるので、自然な聞こえを優先するならATH-CC500BTの方がいい。
- 得意ジャンル:ロック、EDM、そのほかの低音重視系ジャンル
- 苦手ジャンル:クラシックなどの高音も重視されるジャンル
装着感:OpenRun Proは9時間でもいける、ATH-CC500BTは90分が限界
俺が思うに、長時間つけっぱなしにする前提の“ながら聴きデバイス”に一番必要なものは「装着感のよさ」。
その観点からいえば、オーディオテクニカ ATH-CC500BTとShokz OpenRun Proを比べるとOpenRun Proが圧勝。
OpenRun Proは仕事中の8時間+休憩1時間の計9時間装着していても多少違和感が出る程度で済むレベルなのに、ATH-CC500BTは90分つけているだけで痛みが出てしまう。
俺の頭が奇形な可能性もあるけど、そういう話ではないと俺は信じたいので力説していく。
オーディオテクニカ ATH-CC500BT:ゴツい、痛い、ムリ
オーディオテクニカ ATH-CC500BTを装着していて俺が一番気になるのは、痛みが出ること。しかも、90分というわりと短時間で。
3時間も4時間も装着していて痛みがで始めるなら「まぁしょうがない」と思えるんだけど、ながら聴きデバイスとして90分現解説はさすがに短すぎる。作業をしていたら90分経っているなんてことはよくある。
そんな痛みの原因はATH-CC500BTが異常にゴツいから。上の画像絵も見てもらったとおり振動子・バッテリーボックス・ワイヤーの太さどれをとってもATH-CC500BTの方がデカい、ゴツい。
そして、赤で囲ったあたりが耳の付け根に絶妙に当たる上に、クソデカ本体のせいでリアヘビーになっているためテコの原理のように食い込む。
このように耳の後ろの付け根に完全にコンボをくらうことになるため、痛みから逃れられない。もちろんn=1だと「俺の頭が奇形説」も捨てきれないところではあるんだけど、Twitterで検索すると痛みに耐える同士の悲鳴がいくつもあった。
もちろん「ATH-CC500BTをつけても痛くならない」とか「Shokzの方が痛くなる」とかいう意見もあるので、極論いうと人による。俺は合わなかった。
Shokz OpenRun Pro:仕事中に9時間連続で装着していても、少し違和感がある程度
俺は仕事+休憩の計9時間、ずーっとShokz OpenRun Proを装着しているのがデフォルトになっている。が、驚くことにOpenRun Proは多少の違和感はあれど、耳が痛くて外したいなんてことにはなったことがない。
それくらいOpenRun Proの装着感はいい。
おそらくこれは、振動子・バッテリーボックス・ワイヤーどれをとっても「細く・小さく」作られており、ATH-CC500BTの真逆を行っているのが功を奏したから。しかもそれだけでなく、ワイヤー素材もOpenRun Proの方が若干柔らかいのが嬉しい。
そのおかげで一日中OpenRun Proをつけていられる。ながら聴きデバイスは連続で装着できてなんぼなので、Shokzに感謝。
とはいえ「装着感を忘れる付け心地」とかいうレベルではないのは注意してほしい。しっかりとした装着感はあるけど気にはならない、例えるとメガネとかサングラスをつけている感覚に近い。
最大音量:ATH-CC500BTは音量が小さすぎて安心感に欠ける
これは多くのレビューでも言われていることだけど、オーディオテクニカ ATH-CC500BTは基本設定の音量がマジで小さすぎる。
レビュワーの中には「室内で使うには必要十分」という人もいるが、ATH-CC500BTをWEBミーティングで使いたい場合や、YouTube視聴に使いたいならホントにオススメできない。
というのも、WEBミーティングの相手のマイク音が小さい場合、ATH-CC500BTだと音量をMAXにしても聞こえにくい可能性があったり、コンビニに行くのにちょっと車どおりがある道とかを通ると、YouTubeなんかは音量MAXでも聞こえなくなることがある。
なので、仕事やYouTubeでバリバリ使うつもりであれば、最大音量に余裕のあるShokz OpenRun Proをオススメする。OpenRun Proであればうるさいくらいに音量を上げることができるので、音量問題で困ったことはない。
またShokz OpenRun Proくらい音量が上げられると、仕事中にちょっとコンビニで買い物をしている時に電話がかかってきたり、周りが少々騒がしくてもバッチリ通話できるので便利。ATH-CC500BTだと相手の声が聞こえなくなってしまうので外での通話はムリ。
「まだ音量を上げられる」という余力が生む安心感が大事なことを学んだ。
音漏れ:ATH-CC500BTの方が音漏れは少ない
骨伝導イヤホンにとって音漏れは天敵で、Shokz OpenRun Proなんかは音量60%くらいにすると隣にいる人に聞こえてしまうくらいには音漏れする。
その点、ATH-CC500BTの方がわずかに音漏れが小さい。おそらくこれは“軟”骨伝導イヤホンの音を伝える効率が優れていることによるもの。
軟骨伝導は論文が公開されているんだけど、いままでの骨伝導は頭蓋骨を振動させる必要があったのに対して、軟骨伝導は小指の爪サイズの軟骨=耳珠を振動させるだけで良い。なので、音漏れするほど振動をさせなくても十分な音量が得られるというワケ。
微々たる差ではあるけど、静かなオフィス・図書館・入院中の相部屋などの「少しの音漏れも許されない環境」であればATH-CC500BTの方がオススメできる。
バッテリー:ATH-CC500BTの方が2倍持つけど、痛くて装着できないから無意味
オーディオテクニカ ATH-CC500BTのバッテリーは最大20時間持つバケモノ級で、従来の骨伝導の中でもバッテリーが持つ部類だったShokz OpenRun Proの最大10時間の2倍も持つ。
これだけのバッテリーがあれば、仕事で酷使しても2日くらいは充電しなくても大丈夫で心強い……といいたいんだけど、このロングライフバッテリーは実のところ無意味。装着感が悪くて長時間つけていられないのに、バッテリーがいくら持ったところで意味がなくなってしまう。
ちなみに不思議なのが、ATH-CC500BTのバッテリー容量はOpenRun Proより100mAh少ないんだけど、バッテリーボックスのサイズがあまりにも違いすぎる。そして前述のとおり、結果的にバッテリーボックスの大きさが装着感に大きく影響している。
一方、OpenRun Proの電池持ちはATH-CC500BTの半分とはいえ最大10時間の音楽再生ができる。なので、日中によっぽど酷使した上で残業にでもならない限りはバッテリーが切れることはない。もし充電が切れてしまっても、5分で1時間使用できる急速充電にも対応しているのは助かる。
どうしてもバッテリー持ちが少しでもいいものを選ばなくてはいけない状況でもなければ、OpenRun Proのバッテリーが短くて困るというようなことはまずない。
充電方式:一長一短でどちらがいいかは人による
充電方式にも違いがあって、オーディオテクニカ ATH-CC500BTはUSB-C充電、Shokz OpenRun Proは専用マグネットケーブル充電となっている。これのどちらがいいかは「人による」としかいえず、白黒ハッキリつけづらい。
それぞ方式にのメリット・デメリットは以下のとおり。
商品名 | オーディオテクニカ ATH-CC500BT | Shokz OpenRun Pro |
充電端子 | USB-C | 専用マグネットケーブル |
メリット | ケーブル使いまわせる | マグネットをつけるだけでラク |
デメリット | 充電のたびに防水キャップのつけ外しが面倒 | ケーブルが1本増える 根本がUSB-Aのみ |
向いている人 | 外出先での使用・充電が多い | 自宅や職場での使用・充電が多い |
ものの見事に一長一短。USB-CならUSB-Cケーブルを1本持っておけば他のデバイス充電にも使えて便利だし、専用マグネットなら抜き差しに比べて圧倒的にラクだし結構悩むところだった。
が、最終的には双方のメリットよりも、ATH-CC500BTを充電するたびにキャップを外さなきゃいけないストレスが優ってしまった。
ATH-CC500BTは充電時以外はこんな感じで防水用のキャップが付いているんだけど、USB-Cを差し込むには毎回これを取り外さなくてはいけない。もちろん充電が終わったらキャップを毎回はめ込む。
ホントちょっとした動作なんだけど、OpenRun Proが専用マグネットケーブルでパチっと付いて、充電が終わったら取り外すだけなのと比べてしまうとどうしても手間に思えてしまう。
こちらはOpenRun Proの充電端子。カバーなどはなく端子が剥き出しになっている。ここに専用マグネットケーブルをパチっと取り付けて充電するんだけど、ケーブルの接続はとてもラク。
OpenRun Proの専用マグネットケーブルは使いやすいんだけど、専用ゆえにケーブルが1本増えてしまうことと、ケーブルの根本がUSB-Aになっているというデメリットがある。
結論、持ち運びメインで使うならUSB-Cで充電できるATH-CC500BTの方が便利だし、毎回ほぼ定位置で使うならマグネットでつけるだけのOpenRun Proの方が便利。
家と職場の往復しかしない俺にはATH-CC500BTのUSB-Cよりも、OpenRun Proの専用マグネットケーブルの方があっていた。
操作性:OpenRun Proはボタンも押しやすく、操作もわかりやすい
これは即答なんだけど、操作性は明らかにShokz OpenRun Proの方が優れている。というか、オーディオテクニカ ATH-CC500BTが悪すぎ。
詳細はATH-CC500BT単体レビューを読んでほしいんだけど、ATH-CC500BTの操作はボタンが硬くて押すのに力がいるくせに、小さくて押しにくいという三重苦なんだ。
しかもそれだけではなくて、曲送り・戻しをするのに音量ボタンを2秒間も押しづけなくてはいけないのはマジでいただけない。これのせいで、気に入らない曲があって早く飛ばしたいのに強制的に聞かされることになるし、何より複数曲連続で飛ばしたい時はまぁイライラする。最悪。
たまたま飛ばしたい曲が連続で続いてしまったがばっかりに、曲を飛ばすのに2秒待つ……また気に入らない曲なので2秒待つ……。そんなことは1日に何度か起こることになるので心してほしい。
一方でOpenRun Proはそんな不便さがなく、左側の振動子についたボタンを2回・3回押しすれば曲戻し・送りができるという標準的な操作をしている。まぁ、これが当たり前といえば当たり前なんだけど、日常的にやる動作だからこそ意外と大事なところなんだなと勉強になった。
まとめ:Shokz OpenRun Proの方がストレスなく使えて“ながら聴き”デバイスとして優秀
ここまで軟骨伝導のオーディオテクニカ ATH-CC500BTと骨伝導のShokz OpenRun Proを比較してきた。各項目の比較をあらためてまとめると以下のとおり。
本文中はいろいろ書いたけど、こうやって優位点を並べてみると意外なことに同点。
だけど、どちらを買うのがオススメかと聞かれたら即答でShokz OpenRun Proと答えるし、俺が今後使って行くのもShokz。とくに「仕事や家事で長時間装着する」「ミーティングや通話で使うから確実性がほしい」場合は絶対にOpenRun Proをオススメする。
ATH-CC500BTは世界初の軟骨伝導イヤホンとして、骨伝導よりも頭ひとつ飛び抜けた音質の良さを見せてくれたんだけど、ながら聴きデバイスとして一番重要な装着感があまりにも悪すぎた。しかも、最大音量があまりに小さいため仕事のミーティングや通話に使うには向かないし、操作性も良くなくかなり荒削り。
一方でShokz OpenRun Proは、2011年から骨伝導イヤホン一筋で作ってきただけあって装着感・操作性など全く不満がなく洗練されているのがいい。音質こそATH-CC500BTには劣るものの、ながら聴き用途としては不満がないレベルだし、最大音量が大きいので仕事などの大事な場面でも安心して使える。
音質を最優先にするのであればオーディオテクニカ ATH-CC500BTを選ぶのもアリだと思うけど、そうでないならShokz OpenRun Proにした方が多くの人は幸せになれる。軟骨伝導は技術的には面白かったので、Shokzも軟骨伝導を取り入れるか、オーディオテクニカの次作がもっとブラッシュアップされることを期待したい。
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