最近、3年使ってきた初代AirPods Proの調子が悪くなってきた。そろそろ買い替えなきゃと思いつつAirPods Pro 2を見ると、価格は4万円。金欠でデフォルト寸前の俺にとって流石にキツすぎる。だけど、超激安イヤホンも嫌だ……。
そんなわがままを遺憾なく発揮していたところに、SOUNDPEATSが新製品を提供してくれると声をかけてきた。
SOUNDPEATSはガジェオタ界隈ではかなり有名で、アンダー1万円の価格帯でブイブイ言わせている勢いのあるメーカー。
提供してくれるCapsule3 Proは、約8,000円とシリーズ中では高級品とのこと。俺としては新しいイヤホンが手に入るし、記事ネタにもなって一石二鳥。しかも普段使っている初代AirPods Proと比較して“自由に”レビューしてくれときた。これは断る理由がない。
というわけで、2022年も年の瀬に発売したCapsule3 Proを価格差4倍のAirPods Proと比較しながらレビューしていく。
結論からいうと、8,000円でAirPods Proに迫るノイズキャンセリング性能とノリのいい低音でしっかり俺のメイン機になってくれた。
- 低音強めの音質でノリがいい
- 定価8,000円とお安い
- AirPods Proに迫るノイキャン性能
- 外音取り込みは自然さと会話ブーストを両立
- AirPods Proそっくりの形状で装着感良好
- マルチポイント非対応で複数端末使いには向かない
- ワイヤレス充電非対応でケーブル必須
- 操作が特殊で慣れが必要
- イヤホンをケースから出して装着するまでの動線が微妙
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SOUNDPEATS Capsule3 Proのスペック
SOUNDPEATS Capsule3 Proは、5,000円前後の価格帯でブイブイ言わせているSOUNDPEATSの新作イヤホン。同メーカにしては珍しく8,000円といつもより高い値付けで、しかも「Pro」と名付けられている。俺に商品提供を持ちかけてきた担当者も自信満々に「何を書いてもいい」といっていたくらいなので、相当自信があるんだろう。
というわけで、まずはいままで愛用してきたAirPods Proとスペックを比較させてもらう。
商品名 | SOUNDPEATS Capsule3 Pro | Apple AirPods Pro |
カラー | ブラック | ホワイト |
タイプ | カナル型 | カナル型 |
音の傾向 | 中低音強め | フラット |
バッテリー | イヤホン単体 8時間 ケース込み 52時間 | イヤホン単体 4.5時間 ケース込み 24時間 |
重量 | イヤホン片耳:4.7g ケース込み:42g(実測) | イヤホン片耳:5.4g ケース込み:38g |
ノイズキャンセリング | あり | あり |
外音取り込み | あり | あり |
マルチポイント | なし | Apple製品間のみ |
装着検知 | なし | あり |
ワイヤレス充電 | なし | あり |
防水 | IPX4 (生活防水) | IPX4 (生活防水) |
対応コーデック | LDAC / SBC / AAC | SBC / AAC |
特色 | 安い、低音強くて楽しい | Apple製品間の連携最強 |
amazonの星 (小数点は二捨三入) | (4.5 / 5) | (4.6 / 5) |
定価(税込) | 8,480円 | 30,580円 |
販売サイト |
Amazon
楽天 Yahoo クチコミ | 廃盤 |
両者のスペックで大きく違うのは、便利機能が充実しているかどうか。SOUNDPEATS Capsule3 Proは安い代わりに「マルチペアリング」「装着検知」「ワイヤレス充電」がないこと。
便利機能がないのは残念だけど、イヤホン単体でバッテリー持ちが8時間だったり、ノイズキャンセリングや外音取り込みがしっかりついているのは及第点。
というわけで、スペック表からわかる違いはこれくらい。イヤホンで大事なのは「スペックでわからない部分」なので、この先しっかり解説していく。
ちなみに、Capsule3 Proは音質No.1コーデックのLDACに対応しているが、LDAC再生できるのは一部のハイエンドAndroidのみで多くのユーザーには関係がない。
SOUNDPEATS Capsule3 Proの外観
まずはSOUNDPEATS Capsule3 Proの外観を形状の似ているAirPods Proと比較しながら見ていく。外箱はわりと高級感があるデザイン。外箱のデザインがよかったところで実用には影響がないんだけど、新しいガジェットを手に入れた時の開封の高揚感は変わるので嬉しい。
本体ケース正面はこんな感じ。AirPods Proと同じ横長タイプのケースで、質感はプラスチック感があり安っぽいのとちょっと滑りやすい感じがある。
こちらはケース裏面。「SOUNDPEATS」のロゴ入りで、この部分はわりと高級感のある見た目。
ロゴ部分をアップで見たところ。画像ではわかりにくいけど、「SOUNDPEATS」の文字がプレート表面ではなく下の方に印字されており立体感がある。
フタを開けるとCapsule3 Pro本体がお目見え。
イヤホンを取り出した後の内側。まじまじと見る機会もないけど、内側に高級感はない。
Capsule3 Proの本体。黒を基調に、ケースと同じくブロンズカラーがアクセントになっている。ちなみに、AirPods Proと違いうどん=ステム部分をつまんで操作することはできず、「S」と書かれたあたりをタッチする方式。
Capsule3 Pro本体上部にはノイズキャンセリング用のマイクがある。マイク部分は結構大きめで、これが役立っているのかわからないけどノイズキャンセリング性能は初代AirPods Proに並ぶレベル。
内側にも通話用マイクやノイズキャンセリング用マイクなどが片耳で3つ、両耳計6つ搭載されている。
イヤホンの先は銀色になっており、これが充電の接点。
耳に入れる部分にAirPods Proのようなメッシュ加工は施されていないので、掃除は定期的にしたほうがよさそう。
アクセントのブロンズ部分は好き嫌いがわかれそうだが、実物の質感は悪くない。
Capsule3 ProとAirPods Proの本体サイズを比べると、Capsule3 Proの方がほんの少しサイズが大きい。装着感は若干AirPods Proの方がいいものの、使い比べなければわからないレベル。
Capsule3 Proの方が、わずかにうどん=ステムが長く・太い。せっかくステムがあるならAirPods Proのように、ステムをつまむことで操作ができたらよかった。まぁ俺が思うくらいなので、SOUNDPEATS側も実装を試みようとしたが特許問題があったのだろう。
そのほかの角度で見比べても、Capsule3 ProとAirPods Proの形状はわりと似ている。
ケースのサイズは明らかにCapsule3 Proの方が大きく感じる。大きすぎて困るというほどではないけど、AirPods Proの方が扱いやすいのはたしか。
これは真上から撮影したものなんだけど、Capsule3 Proは一回り大きい。
タテ・ヨコの大きさ以上にデカさを感じさせる要因が厚み。Capsule3 Proの方が厚みが1.3倍くらいあるので、ポケットの中での主張は強め。
重さを計測すると意外にもCapsule3 Proの方が7g軽かった。ケースはCapsule3 Proの方がデカいのに意外。
イヤーピース単体でもCapsule3 Proの方が0.7g軽い。イヤホン自体もCapsule3 Proの方がデカいのに意外(2回目)。とはいえ、正直なところ実用上の差は感じられない。
ちなみに付属品はこんな感じ。本体とケース以外には、充電ケーブルとイヤーピースのみ。あとここには並べていないけど説明書がある。
SOUNDPEATS Capsule3 Proのメリット
SOUNDPEATS Capsule3 Proは定価8,000円で販売されており、いまやインフレが激しい完全ワイヤレスイヤホン市場の中ではわりと安い部類。
じゃあ安かろう悪かろうで性能が良くないかというと全然そんなことはない。というかむしろ、よくわからんメーカーの2万円のイヤホンよりも全然いいレベル。
そんなSOUNDPEATS Capsule 3 Proを使っていて感じるメリットは以下のとおり。
近年ノリにノっているSOUNDPEATSが製品名に「Pro」とつけるだけある。かなりレベルが高いにもかかわらず、安さを両立しているのがホントにすごい。中国メーカーの資本力を感じる。
ということで、各点について具体的にどういいのか詳しく語っていく。
低音強めの音質でノリがいい
SOUNDPEATS Capsule3 Proの音質は、ひとことで言えば「低音強めのノリがいい系」。
俺は普段Apple製品との連携のよさが気に入って初代AirPods Proを使っているんだけど、フラット傾向なので「音楽を楽しむ」という観点ではまったく面白みがない。重めのロックやHardStyle(クラブミュージック界のオタクジャンル)系をよく聴いているので、なおさらそう感じる。
それに比べるとSOUNDPEATS Capsule3 Proで音楽を聴くのはマジで楽しい。解像度が高いとか繊細な音が聞こえるとかそういうタイプではないんだけど、AirPods Proで聞こえなかったドラムやベースの音がよく聞こえて「ノレる」。
具体的なSOUNDPEATS Capsule3 Proの音質は以下のとおり。
総評:低音強めでノリがよく、ロック・EBMなど激しめ音楽と相性いい
- ひとことで言うと「低音強めのノリがいい系」
- 重めのロック・クラブミュージックが楽しく聴ける
- ただし、低音は「質より量」のタイプ
- 中音もそれなりにレベルが高いのでJazz系にも向く
- 中低音に埋もれてしまって、高音はイマイチ
- 音場はわりと近めで迫力がある
- 低音が強めなのでYouTubeの会話系動画はややこもって聞こえる
傾向が近いイヤホン:BOSEのイヤホン
定価8,000円のイヤホンなので音質はそこまで期待していなかったんだけど、いい意味で期待を裏切ってくれた。繊細で解像度の高い音で聞かせてくれるとかではないけどノリがいい音で、AirPods Proを使っている時に比べると明らかに音楽を聴くのが楽しくなっている。
しかも、専用アプリでイコライザーを調整することもできるので、もっと低音が欲しければ強調させたり自分好みの音質にカスタマイズできる。ハイエンド機だとイコライザ設定できないものも多いので、自分好みの音にカスタマイズできるのは嬉しい。
定価8,000円とお安い
SOUNDPEATS Capsule3 Proは定価8,000円とお安い。いや、イヤホンに8,000円はたけーよと思った人もいると思うけど、ちょっと待ってほしい。最近の完全ワイヤレスイヤホン市場はインフレがやばいんだ。
完全ワイヤレスイヤホンが出始めた当初は、ハイエンド機ですら2万円前半の価格設定だった。でもこのところ、3万円オーバーは当たり前で、なんなら4万円前後が主戦場になりつつある。そんな頂上決戦の価格帯が上がっていくのに比例して、5,000〜10,000円の価格帯で凌ぎを削ってきたメーカーたちもジワジワと値上げが続く。
そんなマトモなメーカーが減少している5,000〜10,000円帯で覇権を握りつつあるのが、SOUNDPEATS。
8,000円くらいだと「表示だけは一丁前だけど何をキャンセルしているかわからないノイズキャンセル」や「トレンドの便利機能は盛り込んだけど、肝心の音質がクソ」とか普通にあるけど、SOUNDPEATS Capsule3 Proはそういうことはない。
デメリットでも足りていない機能は紹介しているけど、そこが許容できるのであればかなりコスパが高いイヤホンなのは間違いない。
AirPods Proに迫るノイキャン性能
SOUNDPEATS Capsule3 Proを使って、俺が一番びっくりしたのがノイズキャンセリングがしっかり効くこと。価格帯が5,000〜10,000円のイヤホンだと「-40dbノイズキャンセリング」とか言っているのにいざ使ってみると「全然効いてねぇじゃん!」ということが普通に発生する。
SOUNDPEATS Capsule3 Proもお値段8,000円のくせに「-43dbノイズキャンセリング」を謳っていたので、過去の経験からあまり期待していなかったんだけど、いい意味で裏切られた。
最新のハイエンドイヤホンほどではないが、ノイキャン性能は初代AirPods Proには肉薄するレベル。具体的には以下のとおり。
総評:ノイズキャンセルは初代AirPods Proに近いレベル。音楽を流せば外音はほとんど聞こえない。
- 電車内で音楽再生しない状態だと、放送内容がわかる程度にはアナウンスが聞こえる
- 激し目の曲を聴いていると電車の走行音もアナウンスも聞こえない
- 静かな曲だと走行音や何を言っているかわからない程度にアナウンスの声が聞こえる
- 静かな室内で使う分には、音楽再生しなくてもエアコンやパソコンのファン音は聞こえなくなる
- 無音時のホワイトノイズは大きめ(音を流せば気にならない)
だいたいこんな感じ。1万円以下のイヤホンにしてはノイズキャンセリングのレベルが高い。ただし改めて書くけど、4万円近い最新のハイエンド機と比べてはいけない。音楽再生しているときはそこまで気にならないものの、無音状態で比べると差が顕著になる。
とはいえ、耳栓がわりにノイズキャンセルを使うのでなければ、音楽再生してしまえばSOUNDPEATS Capsule3 Proのノイキャン性能で十分。実際、イヤホンを装着している時は99%音楽再生している俺は満足している。
外音取り込みは自然さと会話ブーストを両立
外音取り込みは初代AirPods Proに搭載されて、一躍有名になった便利機能。これがあると、イヤホンを耳から外さなくても外界の音が入ってくるので、電車のアナウンスを聞いたり会話をすることができる。要はイヤホンのマイクで外の音を拾ってそのまま耳に流すパススルー機能。
話に聞く分にはめちゃくちゃ簡単そうな仕組みではあるんだけど、結構このチューニングで苦戦して不自然な音にしてしまっているメーカーは多い。前にレビューした同価格帯のRedmi Buds 3 Proもそうだった。
そんな中でSOUNDPEATS Capsule3 Proの外音取り込みはかなり優秀な部類。低音・高音は変なチューニングをせずに自然なまま耳に届けつつも、中音はブーストしてくれる。ブーストのせいでちょっとマイクを通している感が出てしまっているものの、おかげで人が喋っている帯域の音がよく聞こえるのがいい。
なお、人によっては中音がうるさく思えるかもしれないが、電車・会社・商業施設などで人の話し声にも注意を向けやすいという点で、俺は中音ブーストを好意的に捉えている。
AirPods Proそっくりの形状で装着感良好
SOUNDPEATS Capsule3 Proはジャンル的にはカナル型イヤホンで、AirPods Proと同じく耳からハミ出る通称うどんと呼ばれる「ステム」がついている。
うどん=ステムは見た目はスタイリッシュさに欠けるものの、メリットは抜群。耳から伸びたステム部分に部品を収納できるので、耳穴周辺がスッキリして装着感がよくなる……といってもわかりにくいだろうから以下の画像を見てほしい。
これはSONYのフラッグシップイヤホンWF-1000XM4の装着画像。ステムがないため、丸い本体に全てを集約しなくてはならず、耳穴周辺に干渉したりして装着感に悪影響がでやすい。
対して、SOUNDPEATS Capsule3 Proはバッテリーはステムに格納すればいいので、その分だけ耳穴周りをスッキリさせることができる。
その上、イヤホンを装着する時や取り外す時にもステムをもてばいいので取り回しがめちゃくちゃしやすい。さすがAppleが「ダサい」だの「うどん」だのと言われながらも頑なに採用し続ける形状なだけある。
いままであまり意識したことな方けど、けっこう合理的なデザインだなと思わされた。
SOUNDPEATS Capsule3 Proのデメリット
SOUNDPEATS Capsule3 Proのどのあたりが優れていて、いかにコスパがいいかは力説してきたけど、値段が値段なだけにもちろん気になるところはある。
俺がCapsule3 Proを使って気になったのが以下。
ここまで高いレベルで音の良さとノイズキキャンセリング機能を両立させたCapsule3 Proなので、価格を抑えるのに色々と機能を削らなくちゃいけないのはわかる。
わかるけど、機能がついていないことをイチ消費者として残念に思ってしまった点や、アイデア次第でもっと良くなるのに勿体無いと思ったデメリットを詳しく書いていく。
マルチポイント非対応で複数端末使いには向かない
スマホ1台とかで使う人には関係ない話なんだけど、SOUNDPEATS Capsule3 Pro個人的に一番残念だったのは、マルチポイントに対応していないこと。マルチポイントはめちゃくちゃ便利で、スマホ+パソコンとかスマホ2台持ちする人は、一度使ったらもう戻れなくなる。
マルチポイントとは2台のデバイスに「同時接続」できる機能。
デバイスAと接続中にデバイスBで音楽再生したい時は、デバイスBの再生ボタンを押すと接続先が自動で変わる。
また、デバイスAで音楽再生中に、デバイスBに着信があった場合もデバイスBに接続先が自動で変わる。
実際、俺は以下のような場面でシームレスの良さを実感している。
- パソコンで音楽を聴きながら作業中に、スマホにきた電話をそのまま取る
- スマホで音楽を聴きながら通勤し、会社についたらパソコンでオンライン朝礼
- パソコンで音楽を聴きながら仕事をして、昼休みになったらスマホでYouTube再生
こう書き出してみると大したことないように見えるけど、慣れてしまうと接続先切り替えをするのがめちゃくちゃ面倒になる。
いまどき1万円オーバーや「Pro」と名のつくワイヤレスイヤホンなら、マルチポイントはわりと搭載されているんだからCapsule3 Proにもここは頑張ってほしかった。
ワイヤレス充電に非対応でケーブル必須
SOUNDPEATS Capsule3 Proに搭載されていない機能で、マルチポイントの次に残念だと思うのが「ワイヤレス充電非対応」であること。
俺は家と職場それぞれにワイヤレス充電器を配置して、イヤホンやスマホは置くだけで充電ができる環境を整えている。そういった環境を整備すれば、デバイスを決まった位置に置くだけで持ち出す時はいつもフル充電で使えてとにかく便利。
なんだけど、めっちゃ残念なことにSOUNDPEATS Capsule3 Proはワイヤレス充電に対応していないので、USB-Cケーブルを毎回刺して充電する必要がある。まぁ、8,000円で買えるのに音質・ノイキャンどちらも性能が高いことを考えれば求めすぎな感もあるが、「Pro」と名付けるならそこもこだわってよっていう感もある。難しい。
曲飛ばしや再生停止などの操作が特殊で慣れが必要
俺がAirPods ProからSOUNDPEATS Capsule3 Proへ乗り換えてわりと混乱しているのが操作系統。残念ながら中華系イヤホン独特の「いまいちイケてない操作性」を持ち合わせてしまっている。具体的には以下のとおり。
左 | 右 | |
---|---|---|
1回タップ | 音量ダウン | 音量アップ |
2回タップ | 再生/一時停止 通話応答/終了 | 再生/一時停止 通話応答/終了 |
3回タップ | 低遅延モード有効/停止 (ゲームモード) | 音声アシスタント起動 (Siri/Google) |
1.5秒ロングタップ | モード切り替え (ANC/通常/外音取り込み) | 曲送り |
この微妙な操作感がジワりジワりと俺のストレスゲージを貯めていく。一番やばいのは曲送り(スキップ)がやりにくいこと。曲送りをしようと思ったら1.5秒長押しする必要があるんだけど、何曲も飛ばそうと思ったらその都度1.5秒待たなくてはいけないのがマジで面倒。サブスクで音楽を垂れ流し、気に入らなかったらガンガン飛ばす今の時代を考えると使い勝手は良くない。
ダブルタップで曲飛ばしができればサクサク曲を飛ばしていくことができてよかったのになぁと思う。ちなみに、公式アプリもあるんだけど操作の変更はできない。
あと、モード切り替えも外音取り込み→通常モード→ノイズキャンセリングの3種類ローテーションが組まれているけど、通常モードとかマジで使わないからアプリで省略できるようにしてほしかった。
とはいえ、イヤホン単体で音量操作ができるのはいい。イヤホン単体で音量操作できるようになりつつあるトレンドをしっかり押さえている。
イヤホン本体をケースから取り出して装着するまでの動線が微妙
ガジェットを使うにあたってワクワク感も必要ではあるけど、それと同じくらい大事なのが「いかにストレスなく日常に溶け込むか」。その観点からもう一つ気になるのが、ケースからイヤホンを取り出して耳に装着するまでの動線が悪いこと。
まずは、イヤホンがケースに格納されている状態のSOUNDPEATS Capsule3 ProとAirPods Proを見比べてほしい。
左のSOUNDPEATS Capsule3 Proは耳と接する面がケースの奥側、対して右のAirPods Proはケースの手前側にきている。これが超重要。Capsule3 Proは、ケースからイヤホン本体を出して耳に装着までの工程がAirPods Proよりも一つ手順が増えてしまうんだ。
- AirPods Pro:①イヤホン取り出す → ②そのまま耳に装着する
- Capsule3 Pro:①イヤホンを取り出す → ②向きを変える → ③耳に装着する
この「向きを変える一手間」は文字で見るだけだとデメリットに感じにくい。だけど、実際に使ってみると装着する時としまう時にいちいち向きを変えるのが面倒だし、何より材質的に滑りやすいので落としそうになる。
次回作の販売の時には、ぜひAirPods Proと同じく設置面が手前に見えるように収納できるようにしてほしい。
まとめ:1台のスマホで使うだけならダントツでコスパがいい
ここまでSOUNDPEATS Capsule3 Proのメリット・デメリットをみてきた。改めてまとめると以下のとおり。
SOUNDPEATS Capsule3 Proは定価約8,500円と完全ワイヤレスイヤホンとしてはお安い価格設定。この価格にするためにマルチポイントや無線充電に対応していないので、コストカットされている感は正直ある。
が、それ以外の完成度が値段のわりに異常に高い。1万円以下のイヤホンのノイズキャンセルなんて名前ばかりで全く使いものにならないこともザラなんだけど、Capsule3 Proはめちゃくちゃ機能してくれる。その上、低音強めでノリのいい音質ときた。完全にコスパは100点。
もしSOUNDPEATS Capsule3 Proの購入を迷っているのであれば、悩む点はマルチポイントが必要かどうかの一点だけ。もし複数デバイスと接続せず、1台のスマホでしか使わないなら買い。ここまで音質・ノイキャン性能・安さが揃ったオススメできるイヤホンはなかなかない。
改めていう。悩むべき点は「マルチポイントが必要かどうか?」だけ。マルチポイントが不要なら「買い」だ。
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