Logicoolは2022年ころから静音クリック仕様のマウスを精力的に押し出しているんだけど、ついにその波が低価格帯のマウスにもきた。
そして新発売となったのが実売1,900円で静音クリック・ジェスチャー機能に対応したLogicool M240。
過去にレビューもしたM650を触ってからというもの、Logicoolのせいで静音マウス以外を受け付けない身体にされてしまった。そんな中〜高価格帯のマウスでしか搭載していなかった機能が、この価格でどの程度使えるのかめちゃくちゃ気になる。
これは買わねば……と思っていたところに、Logicoolから製品提供をしてくれると連絡があった。いつもどおり“自由にレビューをしていい”を言質もとった上、白黒2色を送ってもらったので提供品といえど忖度せずレビューしていく。
なお、結論からいえば低価格なので高級感はないものの、静音クリックは上位機種と全くおなじ性能だし、3ボタンマウスの操作性の弱点はジェスチャー機能で解消しており想像以上に実用的だった。安マウスの中ではおすすめ。
- 静音クリックのおかげで周りを気にしなくていい
- 実売1,900円の安さ
- コンパクトで持ち運びにもヨシ
- Logi Options+のジェスチャー機能が便利
- ボディのツルツル部分がストレス
Logicool M240のスペック
Logicool M240は低価格モデルのマウスに静音機能がついたアップグレード版。このアップグレードによって単体でかなり使いやすいマウスになったので、同じLogicoolの上位機種たちとスペックの比較をしていく。
なお比較対象には同じM240と同じ静音3ボタンマウスのM550と、さらに戻る・進むボタン付きの上位機種M650を選んだ。
商品名 | M240 | M550 | M650 |
カラー | ●グラファイト ●オフホワイト | ●グラファイト ●オフホワイト ●ローズ | ●グラファイト ●オフホワイト ●ローズ |
サイズ | コンパクト | M=コンパクト L=フルサイズ | M=コンパクト L=フルサイズ |
重量 | 74g | M=97g L=111g | M=101g L=115g |
ボタン数 | 3 | 3 | 5 |
センサー | 光学式 4,000dpi | 光学式 4,000dpi | 光学式 4,000dpi |
高速スクロール | なし | SmartWheel | SmartWheel |
水平スクロール | なし | なし | 戻る・進むボタン + ホイール |
静音 | 対応 | 対応 | 対応 |
接続台数 | 1 | 1 | 1 |
FLOW機能 | なし | なし | なし |
接続 | Bluetooth Logi Boltレシーバー (別売り) | Bluetooth Logi Boltレシーバー | Bluetooth Logi Boltレシーバー |
バッテリー | 18ヶ月 単3乾電池×1 | 20~24ヶ月 単3乾電池×1 | 20~24ヶ月 単3乾電池×1 |
特徴 | 安い 戻る・進むボタンなし | 戻る・進むボタンなし | 戻る・進むボタン + 水平スクロール対応 |
amazonの星 | (4.4 / 5.0) | (4.2 / 5.0) | (4.4 / 5.0) |
定価(税込) | 2,090円 | 3,960円 | 4,620円 |
販売サイト |
Amazon
楽天 Yahoo クチコミ |
Amazon
楽天 Yahoo クチコミ |
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こうやって比較をしてみると、Logicool M240と上位機種のM550の違いは高速スクロールがあるかないか程度。あとは形状の好き嫌いがあるとは思うんだけど、価格差を考えると俺ならM240を選ぶ。
一方でM650は戻る・進むボタンが付いていたり、水平スクロールに対応していたりと使い勝手はM240よりも上。正直、メインマウスにするなら使用感がラクなM650をオススメするけど、M240の方がコンパクトなので持ち運び用のサブマウスにするにはあり。
Logicool M650とLogicool M550のレビューは過去に書いているので、ぜひ比較で参考にしてほしい。
Logicool M240の外観
Logicoolは定価880円の激安マウスから約17,000円のMX Master 3Sのような高級マウスまで、幅広く販売している。その中でもLogicool M240は実売1,900円なので、低価格帯の位置付け。
そんな見た目はチープだけど値段以上の実用性があるM240の外観を見ていく。
M240のカラーはグラファイトとオフホワイトの2色展開。大きさはコンパクトマウスの部類で、形状は何の変哲もない左右対称になっている。
Logicool M240の側面を見るとこんな感じ。コンパクトマウスだけど、それなりに立体感があるボディをしている。ちなみに、左右クリック・ホイールしかない3ボタンマウスなので、側面には何もない。
前後から見てもわかるとおり完全に左右対称。いま流行りの人間工学とかエルゴノミクスデザインとは無縁の形状だけど、単純に本体重量が軽いので長時間使っても疲れにくい。あと利き手にかわらず使える。
これはメリットでも触れているけど、左右クリックとホイールは静音仕様になっているので、クリック音はほとんど聞こえない。ホイールは可もなく不可もなくといった感じで、ミドルクラス以上のマウスにあるような滑らかさはなく、値段相応。
またミドルクラス以上のLogicoolマウスに搭載されている高速スクロールには対応していないので、Excel作業メインだったりスクロールを多用する人はプラス1,500円ほど出して上位機種のLogicool M650を買った方がいい。
Logicool M240の大きさをM650のMサイズ/Lサイズと比較するとこんな感じ。M650のMサイズよりも一回り小さい。
実際に握り比べた画像。握ったときの見た目は大して変わらないけど、Logicool M240は一段とコンパクトに感じた。俺の手は成人男性の中でも標準的なサイズだけど、すっぽり覆うことができる。
大きさを文章で伝えるのがめちゃくちゃ難しいけど、秋葉原の謎ショップで300円投げ売りされているマウスとか、パソコンにおまけでついているマウスのサイズ感。
握った状態を裏から見るとサイズの違いがわかりやすく、しつこいようだけどM240が一番コンパクト。
背面には電源ボタンと接続時に使うスイッチと製品名や無線規格の記載がある。無線はもちろんBluetoothが使えるんだけど、Logi Boltレシーバーにも対応している。
このレシーバーはLogicoolの上位機種に付属していて、接続切れが起こりにくい&低遅延で使えるようになる。
裏フタを外すと単三電池を入れるところがある。そしてLogi Boltレシーバーを収納することも可能。Bluetoothに対応しているので正直使いたいと思う場面はないんだけど、細かいところが作り込まれている。
あとさっきも少し触れたけど、カラーは2色展開。ただしグラファイトは、いつものLogicoolと違ってグレーではなくてほぼ黒色となっている。
Logicool M240のメリット
Logicool M240は定価2,000円で、マウス界では低価格帯に入る値付け。マウスに興味がない人からすればギリギリ払えるかなという絶妙なライン。
そんなM240のメリットは以下のとおり。
静音がウリなのでもちろんその使い心地はいいんだけど、個人的に更にいいと思うのがジェスチャー機能と値段。
ジェスチャー機能がなきゃ単なる静音3ボタンマウスだったんだけど、ジェスチャー機能のおかげで使いやすさを担保しつつ、しかも実売1,900円なのはマジで素晴らしい。
というわけでLogicool M240のいいところを詳しく解説していく。
静音クリックのおかげで周りを気にしなくていい
Logicool M240の最大の特徴は、左右クリックが静音仕様になっていること。これがマジで日常のストレスを減らしてくれる。
というのも、俺はパソコンで作業をするときに出来るだけ作業効率を良くしたいので、職場・自宅・カフェどこであっても絶対にマウスを使いたい派。なんだけど小心者なので、マウスのクリック音がうるさくて職場の同僚やカフェの他のお客さんに迷惑がかかってないか気になってしまうことがある。
作業効率を上げるためにマウスを使っているのに、周りに気をつかって消耗しているようでは本末転倒。
だけどM240の静音クリックのおかげで、音が気になるようなシーンでも周りのことを気にせず好きなだけクリック連打できる。ちなみに静音性のスペックは、通常のマウスよりも音量90%減。
残りの10%が他人に聞こえそうと思うかもしれないが、クリック感はあるものの使っている自分ですら音は聞こえない。使用者で聞こえないなら、他人には一切聞こえないので安心。
これで心置きなく職場でPowerPointの修正のためにクリック連打したり、カフェでブログ用の画像修正のためにクリック連打したりすることができる。ありがとうM240。ありがとうLogicool。
実売1,900円の安さ
Logicool M240の最大の特徴は静音仕様であることだったんだけど、俺が一番いいと思うのはむしろこっち。M240の安さ。定価2,090円だし、なんなら実売は1,900円(税込)。
これはLogicoolの静音マウスとしては破格の安さ。2022年12月に発売で、俺もレビューをしたLogicool M550という3ボタン静音ワイヤレスマウスがあるんだけど、こちらは定価3,960円。使い勝手はほぼ変わらないのにM240は半額のお値段設定になっている。
もちろんM550の方が優れているところもあるけど、ぶっちゃけ3ボタンマウスを買うなら安くていい。中途半端に金を出すくらいなら安いM240がオススメ。
ちなみにAmazonで他社製品を調べても、Bluetooth対応静音ワイヤレスとしては最安レベルだった。
コンパクトで持ち運びにもヨシ
これは好き嫌いが分かれるところだけど、Logicool M240はコンパクトな設計になっている。個人的にはいつでもどこでも持ち出せるこのサイズ感は好き。
見てのとおり小さいので、カフェとか出先でマウスが使いたい時にもバックの中でかさばらず、気軽に持ち運べるし、狭いテーブルでも作業スペースを有効活用できる。そして安いのでバッグに入れる時も何も気にせずぶち込めるのがいい。
ただし、マウスを手で覆うようにして使う“かぶせ持ち”をする人にとってコンパクトすぎるサイズ感なので、そういった人は外出時専用など利用シーンを考える必要がある。
Logi Options+のジェスチャー機能が便利
Logicool M240は左右クリックとホイールしかない3ボタンマウスなのが弱み……と思われがちなんだけど、公式のキーアサインソフトであるLogi Options+を使うとマジで化ける。
このソフトを使うとジェスチャー操作ができるようになるんだ。具体的には、ホイールクリックをしながら左にマウスを動かすたら「戻る」操作とか設定できる。激安価格でここまで対応しているのはちょっと驚いた。
百聞は一見に如かず。実際の設定画面を見てもらいたい。
こんな感じで好きなジェスチャーに好きな操作を割り当てることができる。しかもアプリごとに設定も可能。
例えば俺だったら普段ChromeでWEBブラウジングをする時の設定とは別に、Photoshopで画像編集する専用の設定を割り当てて使うとかできる。
これのおかげで「単なる激安3ボタンマウス」ではなく「めちゃ使える激安3ボタンマウス」に仕上がっている。
ただし、社用PCにLogi Options+がインストールできないことがあるので、会社用にしようとしている人は注意してほしい。
というのもLogi Options+をインストールするには管理者権限(Admin権限)が必要なんだけど、セキュリティがしっかりしている会社なら、だいたい一般権限しかないのでインストールができない。
会社で使おうと思っている人はマウス購入前に、社用PCでLogicool Options+がインストールできるか事前に試すことをオススメする。ただし、社内のセキュリティ規程を確認の上、自己責任で。
Logicool M240のデメリット
Logicool M240は値段のわりにカスタマイズもできるし、完成度が高いのであんまりケチつけるところがない。ただあえて何かケチつけろと言われたら気になるのが以下。
正直そこまでは気にならないんだけど、全く気にならないかといえばウソになるので解説していく。
ボディのツルツル部分がストレス
Logicool M240のボディは基本的にサラサラとした素材で作られているんだけど、本体をぐるっと一周囲うようにしてツルツルの素材が使われている。
このツルツル部分、上の写真を見てもカッコよさがあってデザインとしてはいいんだけど、実際に使ってみると微妙。
というのも、サラサラとツルツルの素材の違いで握った時に違和感があるのと、工作精度の問題でこの2つの素材の境目にバリがあるのが気になる。
ほんとちょっとしたバリだから致命的なデメリットではないんだけど、長時間触り続けるマウスゆえに肌が何度も擦れるのは正直よくない。サラサラ素材一本で作ってくれていればデメリットがなかったので残念。
まとめ:静音でストレスなし、3ボタンの弱点はジェスチャー機能でカバー
ここまでLogicool M240のメリット・デメリットをみてきた。改めてまとめると以下のとおり。
LogicoolにはM550という静音3ボタンマウスの製品があるんだけど、このM240発売のせいで完全に過去のモノになった。それくらいM240の静音・ジェスチャー機能・値段のバランスが良すぎる。
もちろん、Logicool M240のボタン数は3ボタンしかなかないので、ハイエンドマウスと比べてしまうと使いにくさは感じる。なので複数台と接続したいとか、戻る・進むボタンがほしい、高速スクロールがほしいならM750やM650の方がいい。
ただジェスチャー機能が思った以上に使えるので、とにかく安くていいマウスがほしかったり、コンパクトマウスがほしいならM240をオススメしたい。
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