コロナが流行してからビジネスで大きく変わったのが、とにかくWEB会議が増えたこと。以前は対面の打ち合わせが主流だったが今やほぼ100%オンライン・1日1回は入っている。
そして気になり始めるのがミーティングの画質。とくに社外の人とミーティングする人や就職活動をする人は、少しでも相手への印象をよくしたいと思って外付けWEBカメラを検討しがち。
かくいう俺も営業職。「もっとキレイな俺を見せるためにどのWEBカメラを買うべきか」とホストのROLANDばりの自意識で悩んでいた矢先に、Logicoolから新発売のWEBカメラLogicool BRIO 300をレビューしてくれと連絡があった。
Logicool製品はこのイチガジェで、時には絶賛・時には酷評してきたんだけど、提供品だろうが好きに書いていいとのことなので、率直にレビューを書いていく。
結論からいうと、BRIO 300はYouTubeとかがライブ配信用に使うのはやや物足りなかったものの、WEB会議やリモートワークで使うには十分な画質・機能と価格のバランスが絶妙なので仕事用にするにはマジでオススメだった。
- WEB会議には十分な画質
- 物理プライバシーシャッター付き
- 幅広いディスプレイの厚みに対応
- インテリアに合わせて3色から選べる
- 固定フォーカス
- 本体マイクはおまけ
Logicool BRIO 300のスペック
Logicool BRIO 300は2023年2月に発売されたWEBカメラ「BRIOシリーズ」の最新作。兄貴分のBRIO500の発売は2022年10月、最上位のBRIO 4Kは2017年発売と結構歳が離れている。
そんな末っ子のBRIO 300が兄弟たちとどれくらい違うのか、まずはスペックの比較をしていく。
商品名 | Logicool BRIO 300 | Logicool BRIO 500 | Logicool BRIO 4K |
クラス | ミドルクラス | ハイエンド | ハイエンド |
解像度 フレームレート | フルHD 1080p/30fps HD 720p/30fps | フルHD 1080p/30fps HD 720p/60fps | 4K 2160p/30fps フルHD 1080p/60fps: HD 720p/90fps |
画素数 | 200万 | 400万 | 1,300万 |
オートフォーカス | なし | あり | あり |
自動調光 | あり | あり | あり |
視野角 | 70° | 90° | 90° |
マイク | 1 | 2 | 2 |
接続端子 | USB-C | USB-C | USB-A |
プライバシーシャッター | あり | あり | あり |
ズーム | なし | 4倍 | 5倍 |
特徴 | ・WEB会議に必要十分な画質 ・ミドルクラスの価格 | ・FHD画質だけど機能面はハイエンド並み | ・4Kの高精細な画質 ・価格は高い |
Amazonの星 (小数点は二捨三入) | (3.6 / 5.0) | (4.5 / 5.0) | (4.4 / 5.0) |
定価(税込) | 10,890円 | 19,580円 | 26,180円 |
販売サイト |
Amazon
楽天 Yahoo クチコミ |
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Logicool BRIO 300が実用上、他機種と一番大きく違うのはオートフォーカス機能がなく、固定フォーカスとなること。これはデメリットの項目でも語っていくので、あとで詳しくみてほしいんだけどいうほどデメリットにはならない。
というのも、仕事用で使うには固定フォーカスでも十分。あとは画素数が200万画素なのも多くの人が懸念するポイントだとは思うけど、結論ここも心配の必要はない。
むしろ、先発のBRIO 4KとBRIO 500が多くの人にとってオーバースペックだったのが、BRIO 300のおかげでバランスのいい性能がお安く手に入るようになったのが喜ばしい。
Logicool BRIO 300の外観
まずはLogicool BRIO 300の外観を見ていく。外箱に仰々しさはなく、コンパクトに作られている。ちなみに、LogicoolはWEBカメラの国内シェアNo .1らしく外箱でしっかりアピールされている。
本体を取り出すとこんな感じ。BRIO 300はケーブル一体型なので付属品などはなく、保証書が付いているのみ。
BRIO 300を正面から見たところ。中央には物理的なプライバシーシャッターが付属しているため、ウィルスによる盗撮対策などになるのはもちろん、顔出ししたくない会議などで間違ってカメラがオンになってしまっても何も映らないのがいい。
シャッターを開けるとしっかり頂点で止まるようにクリック感がある。正面右側は、カメラがオンを知らせる白いLEDが付いているのと、下側にはマイクが付いている。
BRIO 300の本体左右。左右にはとくにボタン類などはない。ちなみに左側はシャッターを閉じた状態で、右側はシャッターを開けた状態。
背面にもボタンなどはなく、本体にはシャッターがついているのみ。ケーブルは本体と一体型で取り外しはできない。断線リスクと持ち運びには弱いが、正直WEBカメラを持ち出すことってそんなにないだろうから気にならない。
見えにくい裏面もピンク色。
もちろんケーブルもピンク。専用部品を増やせば増やすほど、生産コストも管理コストも増えるのに、こういうところをこだわるのはさすがLogicool。芸が細かい。
ディスプレイとの設置面である黒い部分はゴム素材でできており、ディスプレイ側にキズがつくことはない。
設置するとこんな感じ。MacBook Proに付けると大きく見えるが、外付けディスプレイなら適正。どちらにも取り付けできるのは嬉しい。
Logicool BRIO 300のメリット
Logicool BRIO 300の価格はWEBカメラとしてはミドルクラスの価格帯。正直、もっと下を見ればいくらでも安いWEBカメラは売ってはいるんだけど、そういうのはヘタするとノートパソコンのインカメラにも劣る画質だったりする。
そこのところBRIO 300はいい。ハイエンドWEBカメラを散々発売してきたLogicoolだけあって、定価1万円でもレベルの高い仕上がり。具体的に使ってみていいと感じたのは以下。
BRIO 300のカタログスペックが上位機種に勝るとかそういう感じでは決してない。が、日々実際に使うにあたって使いやすいなと思わせるところが多いのがいい。
というわけでそれぞれのメリットを解説していく。
WEB会議用には必要十分な高画質
Logicool BRIO 300の画質的なカタログスペックは、「フルHD 1080p/30fps・200万画素」といったもの。このスペックを見てとくに疑問がなければ、そのままで大丈夫。YouTubeでライブ配信とかやらない限りは必要十分な画質だと覚えて飛ばしてもらってかまわない。
一方で「1080p 60fpsじゃねぇのかよ」とか「200万画素かよ」と思ったガジェットオタクがいると思う。アンチ画素数至上主義の俺でさえ「PC画面に引き伸ばすなら、さすがに200万画素は少ないのでは?」とか思った。
だけど実際に使ってみた感想としてにこれだけは伝えたい。WEBカメラにおいて「1080p 30fps / 200万画素」は十分使える画質であると。
百聞は一見に如かず。以下の画像を見比べてほしいんだけど、前提として撮影をする場所を完全にミスっている。かなり暗い部屋で撮影してしまったのと、WEB会議システムのGoogle Meetを経由で録画をしているので、実際に出力されるものよりかなり低画質になってしまっている。とはいえ、だからこそ顕著に違いは出ているので参考になると思う。
これは俺が会社で支給されているM1 MacBook Proのインカメラで撮影したもの。スペックは720p / 120万画素。まぁオンラインミーティングでよく見る画質。
一方でこれはLogicool BRIO 300で撮影したもの。改めてだけどスペックは1080p / 200万画素。MacBook Pro標準装備のインカメラよりもかなり画質がよくなっていると思う。MacBook Proの標準よりも暗めに映っているけどこの辺は、専用ソフトで設定を変更することも可能なのと、画角が少し狭いのは外部ディスプレイにつければちょうどいいと思う。
これは番外編でこのブログのレビュー画像を撮影するのに大活躍のSONY ZV-E10をインカメラがわりに接続して撮影した画像。もちろんZV-E10はAPS-C機なので一番キレイに映る。が、BRIO 300の画像と見比べてほしい。
あれ?Logicool BRIO 300で十分じゃね?俺はそんな風に思った。
もちろんYouTuberがライブ配信をやるために4K撮影できる機材がほしいとかハイエンド機を買った方がいい。だけどオンライン会議とかで使うにはこの手頃さで、この画質だしこれ以上頑張る必要はあまりない。
一般的な会議で激しく動くことはないからフレームレートは30fpsでいいし、画像も小さく表示されがちだから200万画素で十分。なんなら接続安定性が重視されるので、4K高画質でゴリゴリ流す必要がない。
ちなみに、俺が撮影に使った会社の個室ブースは極端に光量不足&暖色ライトなんだけど、それなりに見られる画像になっているのでBRIO 300の自動調光機能とオートホワイトバランス機能は結構優秀といえる。
物理プライバシーシャッターで安心
近年は遠隔操作による盗撮対策やプライバシー保護が取りざたされることが多く、ノートパソコンを含めてWEBカメラはシャッター付きのものが増えてきている。そんな中、Logicool BRIO 300のカメラ部分にも物理的にふさぐプライバシーシャッターが備わっている。
この仕様にはMacBookのインカメラにテープを貼っていたという、FaceBook(現Meta) CEOのマーク・ザッカーバーグもニッコリ。
あと特殊な使い方としては、オンライン会議には参加したいけど間違ってもカメラをオンにしたくないような場合にもシャッターが使える。
指でくるっと押してあげるとシャッターが閉じる仕組みだけど、自動でカメラオフにはならないので注意。閉じる位置と開ける位置それぞれで引っ掛かりがあって使いやすい。
巨大なクリップでさまざまな厚みのディスプレイに対応
Logicool BRIO 300はクリップが巨大で、外付けの大型ディスプレイからノートパソコンの液晶まで幅広い厚みのディスプレイに対応できるのがいい。安い製品とかハイエンドでも画質とかのことばかり考えられている製品だとここが疎かになっていることがある。
具体的にどれくらい開くかというと以下のとおり。
可動部品が2つあるおかげでかなり幅広い厚みに対応できるのが強み。
実際に取り付けるとこんな感じで、外付けモニターは無難にフィットしている。まぁこれは当然と言えば当然なんだけど、こいつがすごいのは下を見てほしい。
会社支給で使っているMacBook Proのディスプレイはノートパソコンの中でも最薄クラスなんだけど、それでもギリギリながら装着可能できてしまう。
外付けディスプレイ環境メインで作業する人には関係ないけど、いろいろな場所でノートパソコンひとつで作業する場合でもカメラを気軽にアップグレードできるのはいい。
部屋の印象に合わせて3色のカラーから選べる
Logicool BRIO 300にはこの記事で出てくるローズ以外にもグレー系のグラファイトという色とホワイトの計3色が用意されている。Logicoolは近年カラーバリエーションの展開にも力を入れており、とくにこの3色はキーボードやマウス、ヘッドセットなどとにかく多くのシリーズで採用されている定番色。
定番色ゆえにPCデスク上のガジェットの色を揃えられるようになったので、部屋全体のインテリア・世界観を統一することができる。いままでほとんど黒しか選択肢がなかったのが好みに合わせて選べるようになったのは嬉しい。
俺は提供品の色在庫の関係で、ローズを送ってもらったけど、実際に買うとなったらグラファイトにするかホワイトにするか悩んでいた自信がある。
Logicool BRIO 300のデメリット
Logicool BRIO 300は定価1万円というお値段のわりに非常に完成度が高く、大抵の場合は不満は出ない。が、実際に使って行ってみると、ちょっと惜しいなと思ってしまった点がある。
具体的には以下のとおり。
改めていうけど、これらは普通に使う分にはそこまで大きなデメリットにはならない。具体的にどういう人にとって不便になるかは詳しく解説していく。
オートフォーカス機能はなく、ピントは固定
ハイエンドのWEBカメラには、スマホやデジカメと同じく自動でピント調節するオートフォーカスが搭載されているんだけど、ミドルクラスのLogicool BRIO 300にはない。つまりピントの設定が固定されている。
固定といってもカメラから一定以上の距離を離れていればピントは合う。が、問題なのは極端に近づいたとき。例えばYouTuberが商品紹介をするときに、パッケージの文字を読ませるレベルで近づくことがあるけど、ああいうのに弱い。どうしても近づきすぎるとピントが甘くなってしまう。
オンラインミーティングで普通に使うだけでなく、YouTuber的な動作をする予定があるのであれば、オートフォーカス付きのハイエンド機を購入した方がいい。
本体マイクはおまけ程度の性能
Logicool BRIO 300の本体正面の下側にはマイクが1つ搭載されている。なので一応はBRIO 300さえあれば別にマイクを用意する必要はないんだけど、マイクはおまけ程度に思っていた方がいい。
というのもこのマイク、周囲の音は全て拾う無指向性のマイクなのでとにかく雑音に弱い。個室の打ち合わせブースとか出張先のビジネスホテルからビデオ通話するとか、ある程度静かな環境じゃないと正直会話にならない。
いまどきのイヤホンは大体マイクもついているが、ちゃんと用意しておいた方が無難。ちなみにゴリゴリ打ち合わせをする人用に、Logicool H390というノイズキャンセリングUSBヘッドセットも用意されており、しかもBRIO 300と同じカラー展開なので統一することもできる。俺もH390のレビューもしているのであわせて見てほしい。
まとめ:画質・実用性ともによし。キレイにWEB会議したいなら買い
ここまでLogicool BRIO 300のメリット・デメリットをみてきた。改めてまとめると以下のとおり。
Logicool BRIO 300は価格的にもカタログスペック的にもザ・ミドルクラスのWEBカメラだから、実際に使うまではノートパソコンの標準装備のインカメラと変わらないレベルなんじゃないかと不安だった。けど、そんな不安はいい意味で裏切られた。
200万画素というスペックは実際の画質をみると数値以上にキレイに映って見えるし、カメラ部分に物理シャッターがついていたり、クリップ部分が大きいし実用性はめちゃくちゃ高かった。
そんなLogicool BRIO 300は、ハイエンド機を買うほどWEBカメラにお金をかけられないけど、実用性重視で失敗したくない人にオススメしたい。さすがPC周辺機器の最大手Logicoolだけあって安定感が違った。
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