俺は普段、左手人差し指に指輪型アクティブトラッカーOuraringを身につけている。
ただ、ここのところ表示される数値が変わらなくなってきた。変わらない仕事、変わらない生活を送るアラサーリーマンの俺。そんな生活をOuraringは映し出していた。明日の数値はもう”知っている”。
そんなときに「どうせ指1本ふさぐなら、生活に役立つスマートリングをつけた方が有益なのでは?」と思って行き着いたのが、このEVERING。
EVERINGにはVISAプリペイドカードが内蔵されていて、VISAタッチ決済ができる。
搭載された機能はこれだけ。睡眠管理や通知確認など一切できない、一点特化の漢仕様。
気になり始めたが最後、気がついたらポチってしまっていたのでレビューをしていく。
結論を先にいうと、指をかざす決済は未来的だしかなり使いやすい体験だったが、決済そのもののスピードが遅いのが残念だった。
- 決済端末へのタッチがラク
- たった3タップでチャージ完了
- オートチャージ設定もできる
- 充電不要で使える
- 落としても”10秒”で利用停止
- 決済スピードが遅い
- VISAタッチ利用可能店舗が少ない
- 年会費5,000円のプリペイドカード
- 資金決済法の縛りがキツすぎる
- 黒くて、ゴツいデザイン
EVERINGのスペック
EVERINGは指輪のなかにVISAプリペイドカードが埋め込まれており、これ一つでサイフの代わりになるのが特徴。しかも充電がいらない。
そんな日々の生活を”ちょっとラク”にするEVERINGのスペックを見ていく。なお、比較対象は俺も愛用している指輪型デバイスのOuraringと、これまた愛用中のウェアラブルの帝王・Apple Watchを選んだ。
商品名 | EVERING | Ouraring 3 | Apple Watch 7 |
形状 | 指輪型 | 指輪型 | 腕時計型 |
特色 | 指で決済できる | 運動から睡眠まで指輪サイズで管理 | 決済・運動量・通知確認となんでもできる |
電子マネー | VASAタッチ | なし | iD QUICPay Suicaなど |
決済のラクさ | 決済端末にかざしやすい | ー | 決済時ムリな姿勢になる |
ディスプレイ | なし | なし | 41mm or 45mm (常時点灯) |
バッテリー | 充電不要 | 約5日 | 約1.5日 |
重さ | 4.5g (US7サイズ) | 3〜6g | 38.8~51.5g |
防水 | 50m | 100m | 50m |
運動量計 | なし | 可能 | 高機能 |
睡眠計測 | なし | 医療機器 レベル | 可能 |
価格 | 20,460円 (送料込み) | 約33,000円 (送料+関税込み) | 58,800円〜 |
販売サイト | Amazon 公式サイト | 公式サイト レビュー記事 | Amazon 公式サイト |
EVERING、Ouraring、Apple Watchの3つは同じウェアラブルの括りだけど、それぞれ特化している機能が尖っており用途に合わせて選びやすい。
端末一つで決済も運動量計測もしたいとか通知確認がしたいとの用途であれば、Apple Watch一択。
だけど、少しでも決済をラクにしたいならEVERING、腕時計型のデバイスを腕につけて寝るのが苦手ならOuraringをそれぞれオススメする。
EVERINGの外観
EVERINGの外観はパッと見どころか、じっくり見てもただの指輪。この指輪の存在を知らなければ、絶対にガジェットだとわからない。
およそガジェットには見えないEVERINGが、実はガジェットであることを証明してくれるのがリング内径のロゴ。
肉眼だとよーく見なきゃわからないけど、内径に同系色でうっすらと「VISA」のロゴの刻印がある。そうこのEVERINGは、VISAプリペイドカードを指輪の中に押し込んでいるので決済が可能なんだ。
VISAマークの反対には号数が刻まれている。ちなみに、この号数はUS表記なので普段JIS表記で指輪を購入している人は注意。
万が一、サイズが合わなかった場合は送料負担があるものの、リングを有効化する前に限り1回だけサイズ交換ができる。
■サイズ交換にあたっては、以下の条件があります。
購入したEVERINGのリングサイズが合いません。 https://evering.jp/support-7202
1)使用開始(アクティベーション)前に限り1回のみ
2)商品ご到着日を含む7日以内の交換申請
3)刻印サービスをご利用のリングは、交換不可
・送料(税込 \1,320)はお客様のご負担となります。
・交換には1~2週間程度お時間を頂く場合がございます。
EVERINGを購入した場合はすぐにアクティベーションをせず、サイズに問題がないかじっくり試してほしい。靴を選ぶ時と同じで、朝は余裕があったけど夕方になったらサイズがキツくなってきたとかよくある。
サイズの合わない指輪をするのはストレスだし、大きすぎたりするとすっぽ抜けたりする危険性がある。
EVERINGの色展開は黒と白の2色のみ。黒は写真のとおり、金属質感の地金の上からビッカビカに反射する光沢塗装を採用。まぁ、目立つ。一方で白はセラミックみたいな安っぽい質感で、300円くらいで売ってそうな見た目をしている。
どちらの色も悪目立ちするので、素直にシルバーも発売してほしかった。
指につけるとこんな感じ。塗装もツヤツヤ・ビカビカなので圧倒的存在感。
比較対象がないのでわかりにくいが、圧倒的存在感の原因はこの幅広ボディ。
さらにEVERINGは厚みもあるので、ますますゴツさがでる。
これは同じく指輪型ガジェットであるOuraringを装着しているところを比較したもの。Ouraringの方が指輪としてのサイズは大きいんだけど、見た目的に目立つのは黒光りボディのEVERING。
ホントどこから見ても何の変哲もない指輪。ボディにはジルコニアセラミックという金属アレルギーなどが生じない「非アレルギー素材」が使われている。
EVERINGのメリット
EVERINGを一言でいうと「指輪の形をしたプリペイドカード」。機能としてはたったそれだけ。
外出時に必ずApple Watchをつけている俺からすると、EVERINGのおかげで新しくできるようになったことは正直ゼロなんだけど、Apple Watchやスマホの電子マネー決済に比べてタッチするのが圧倒的にラク。しかもアプリも使いやすい。
そんなEVERINGの具体的なメリットは以下のとおり。
これらのメリットについて詳しく解説をしていく。
決済端末へのタッチがラク
俺がEVERINGをつけていて一番良いと思うのが、決済端末へのタッチがラクなこと。とくにApple Watchの決済と比べると、タッチする大変さが誇張なしで10倍くらいラク。
指につけたEVERINGと手首のApple Watchなんて、距離で言えば10cmかそこら程度しか違わない。
だけどこの10cmの距離が全然違う。Apple Watchは決済端末に手首を当てなくてはいないので結構無理な体勢になることがあるんだけど、EVERINGなら手をグーにして当てるだけでいい。
百聞は一見に如かず、Apple Watchで決済するときはこんな感じ。これはコンビニの自動レジなので決済端末が低い位置に置かれていた。
日常生活ではやらないレベルで手首を手首を大きく曲げて、Apple Watchを押しつけるようにして決済する必要がある。小指がガッツリ映ってしまっているけど、ゆっくり撮影をしている余裕がなかった。
体勢の辛さがリアルに伝わったと思う。
それにたいしてEVERING。マジで楽。そのひとことに尽きる。楽な理由は単純で、関節がひとつ増えたことによって可動域が広がったから。
Apple Watchの場合は、決済端末にかざすための調整が「肩」と「肘」の2か所のみ。だけどEVERINGなら「肩」「肘」に加えて「手首」が追加される。人体の素晴らしさをアラサーにして再確認した。
次はスーパーの自動精算機での支払い。さっきのコンビニとは違って決済端末の位置が高いので、Apple Watchでも比較的
ただし、ちょっと残念なのがせっかく決済端末へのタッチがラクなのに、決済スピードそのものが遅いこと。デメリットでも書いたけど、俺はこれのせいで使うのを躊躇うことが結構ある。
たった3タップでチャージ完了
EVERINGに搭載されている決済機能はVISAプリペイドカードなので、事前にチャージが必要。そのチャージにはクレジットカードを使うんだけど、利用できる国際ブランドの幅が広いしカンタンにチャージできるのがいい。
チャージに利用できる国際ブランドは以下のとおり。
VISA、Mastercard、JCB、AMEXの4つの国際ブランドが利用可能。VISAプリペイドだからと言ってチャージもVISA限定でないのが嬉しい。
そして実際のチャージの流れは以下のとおりでめちゃめちゃ簡単。
そしてアプリがシンプルでチャージも簡単。この画像はEVERINGのアプリのトップ画面なんだけど、ユーザーが一番行う動作である「残高確認」と「残高チャージ」が真っ先にできるようになっている。
EVERINGのような挑戦的なデバイスのアプリは結構な確率で使いにくいことが多いけど、ユーザー目線で作られているのはとっても好印象。
チャージするときは画面下部の「チャージ」をタップかスワイプすると、チャージ金額の設定をする画面が出てくる。
チャージ金額と使うクレジットカードを選んで「チャージ」ボタンを押すだけ。
ちなみに、金額設定はスライダーかクイックボタンで設定できる。チャージは1,000円単位、1回の最大チャージ額は30,000円までで1円単位でのチャージをすることはできない。月間決済可能金額は12万円まで。
チャージするときは画面下部の「チャージ」をタップかスワイプすると、チャージ金額の設定をする画面が出てくる。
チャージ金額と使うクレジットカードを選んで「チャージ」ボタンを押すだけ。
ちなみに、金額設定はスライダーかクイックボタンで設定できる。チャージは1,000円単位、1回の最大チャージ額は30,000円までで1円単位でのチャージをすることはできない。月間決済可能金額は12万円まで。
ネットショップでポップが出てきてパスワード入力しなくてはいけない、よくあるうざいアレ。
カード券面に記載されていない「本人しか知らないパスワード」の入力を求めるセキュリティ。これにより、なりすましによる不正利用を防ぐことができる。
チャージが完了すると自動的にトップ画面に戻る。チャージの手順はこれだけ。ステップ数も少ないし、早ければ15秒あればチャージできる。
このアプリのシンプルさは巷に溢れている「なんちゃらPay」にも見習ってほしい。
ただアプリの作りで唯一解せないのが、決済履歴を見るためのメニュー階層が深くて使いにくいこと。決済履歴を見たいだけなのに設定を3階層も潜らなくてはいけない。ほかのところがいいだけに残念。
オートチャージで残高の心配いらず
EVERINGは通常のチャージとは別に、オートチャージ設定をすることができる。一般的なプリペイドカードだと、都度チャージをする必要があるんだけどEVERINGは珍しい部類。
オートチャージ機能のおかげで、とりあえず指につけておけばサイフの代わりになる感が激増しする。
オートチャージに使えるクレジットカードは、通常のチャージと同じくVISA、Master、JCB 、AMEXの4つの国際ブランドから選べる。Suicaのオートチャージ設定と違い発行元による制限などもない。
そしてオートチャージ設定もカンタン。
この通常のチャージ画面にやや小さい文字で「オートチャージを設定する」というボタンがあるのでタップすると、設定画面に移動する。
そして「オートチャージを許可」のボタンを押すと、詳細な設定画面が出現。ここで残高が○○円以下になったら、いくらチャージするという設定ができる。
オートチャージ金額の設定は1,000円単位の選択で、最大チャージ可能金額は30,000円。
ひと通りの設定をしたらトップページに戻るだけ。トップページで左の画像の赤枠内のように「設定済み」と出ればOK。ちなみに解除もカンタンで、設定画面の許可設定のボタンをオフにするだけでいい。
オートチャージ設定さえすれば、サイフを出す必要もなければチャージ金額の心配もする必要がないのでマジで気がラクになる。
リングの充電は不要
俺がEVERINGを気に入って毎日利用している……いや、”できている”のは充電不要だから。
完全究極体ズボラ人間の俺はガジェットの充電をとにかく忘れがちで、モバイルSUICA定期券の入っているApple Watch以外は充電を忘れることがよくある。
その点EVERINGは、とりあえず指につけておけばサイフの代わりになるのがとてもラク。
充電もいらないことからファッション目的の指輪と同じ収納場所で管理できるのも嬉しい。
ちなみに充電不要のカラクリは最新技術でもなんでもなくて、その辺のクレカのiD決済やSUICAカードと同じく電磁誘導を使っている。
EVERINGには極小コイルが内蔵されているんだけど、このコイルが決済端末の生み出す磁場に近づくことで反応して、決済に必要な電力が発電される。
中学校の理科で習った、円筒状に巻いたコイルの中に棒磁石を入れると発電されるっていう実験のアレと同じ原理。
俺はゴリッゴリの文系だったからこれ以上の説明はできないんだけど、もっと詳しい原理を知りたい人は以下のサイトを参照してほしい。超絶わかりやすい動画とイラストで解説してくれている。
電池なしで通信できる!?Suicaの驚きの仕組みとは?
難しいことはともかく、バッテリーとか気にせずとりあえず身につけておけばサイフ代わりになるのはホントにいい。
落としても“10秒”で利用停止できる
EVERINGはカード券面もない指輪型のVISAプリペイドなので、サインもなければ4ケタの暗証番号もない。それゆえに落としてしまったが最後、拾った人はEVERINGを自由に使うことができてしまう……リング内径に刻印された「VISA」の文字に気がつけばだが。
その対策としてアプリに用意されているのが、EVERINGの決済停止機能。実際の画面が以下のとおり。
落としたことに気がついたらアプリを開いて、右上の赤で囲った南京錠マークをタップすればロック画面がでる。スマホを出してから10秒でEVERINGのロックが完了するのはラクだし安心。
これのおかげで何かの拍子に無くしてしまっても安心。
ていうかこの機能、一般的なクレジットカードのアプリでも導入してほしい。いちいちコールセンターに連絡をして、停止連絡をしなくてはいけないなんて今時効率が悪すぎる。
こういうところでも未来を見せてくれるEVERING、好き。
EVERINGのデメリット
ここまではEVERINGのいい話に終始してきたけど、お待たせしました。デメリットの時間です。
EVERINGがプリペイドカードを単に指輪型にした商品だっていうのは、もうわかってもらえたと思う。ハッキリいって形が変わった以外はマジで新しいことは1つもない。
それゆえに、プリペイドカードが抱える問題=EVERINGの問題という状態になっている。具体的なデメリットは以下のとおり。
EVERINGにはせっかくいいところもあるのに、これらデメリットのせいでApple Watchでいいかなと思ってしまうことがたまにある。とくに俺的最大デメリットは決済スピードの遅さ。
各デメリットのどんなところがそんなに気になるのか、詳細をレビューしていく。
決済スピードが遅すぎる
EVERING最大のデメリットがこれ、決済スピードの遅さ。色々言いたいことはあるんだけど、まずは以下のコンビニで決済する動画を見てほしい。百聞は一見に如かず。
これはファミリーマートのセルフレジで決済している様子なんだけど、レジ側がEVERINGをピッーと認識してからレシートが出るまでがとにかく長く、約6秒ある。
次にApple Watchに取り込んだクレジットカードのiD決済の様子を見てほしい。iDを認識する速度はEVERINGとほぼ同じだけど、注目はその後のレシートが出るまでの時間。
この短さ。レシートが出てくるまでの速さが段違いでたったの2秒。EVERINGよりも1/3の速さで決済完了する。
秒数にして4秒差。数字で見るとたいしたことはなさそうだが、レジ前の4秒はマジで長い。
これはEVERINGが残高引き落としまでその場でやるプリペイドカードであるために、細かい金額は後で精算すればいい後払い方式のiDよりも決済手順が複雑だから起きてしまう。
タッチ自体はラクでも「こんなに待たされるならiDとかQUICPAYの方がトータル速い」と思ってしまうし、有人レジだと決済完了するまでの待ち時間が気まずい。
そんなこともあって、EVERINGはほぼ無人レジ専用か袋詰めをお願いするタイミング意外では使わなくなってしまった。技術的に難しいのかもしれないけど、次期EVERINGでは決済スピードが速いSuicaを搭載してほしい。
VISAタッチ決済使えるお店が少ない
EVERINGを使ってみて意外と感じたのが、VISAタッチ決済対応店が少ないということ。世の中、キャッシュレス決済が広がりつつあるものの、iDやQUICPAYといった国内発の非接触決済に比べると対応端末が浸透していない。
クレカは使えるけどタッチ決済はできない店もあれば、そもそも知名度が低く「クレカのタッチ決済で」と言ってもわかってもらえないことがある。
そのため、出かけたあらゆる先でEVERINGを財布代わりに使おうとするよりも、自分がよく行くお店でルーティンの支払いとして使うのがいい。なので、購入前によく利用する店舗でVISAタッチ決済が使えるか調べてからEVERINGを購入するのをオススメする。
VISAタッチ決済の利用可能店舗は、公式ページで確認できる。
年会費5,000円のプリペイドカード
EVERINGは指輪型のガジェットの趣き強いが、実際には指輪型のプリペイドカード。それゆえ、クレジットカードなどと同じように4年の有効期限がある。
EVERINGの商品価格は送料込みで約2万円、これを4年で割ると年間5,000円。つまり単純に考えると年会費5,000円を払ってプリペイドカードを使っていることになる。
これを高いと捉えるか”未来感”を味わうための必要経費と考えるかは人それぞれ。俺はガジェットオタクなので飛びつくように購入したんだけど、決済スピードやらにも問題があってこの値段ではEVERINGを人にオススメしにくい。
俺?俺は2万円は高いと思う。もう5,000円安くして欲しかった。
資金決済法のせいで制限ガチガチ
EVERINGをメインの決済方法にしようと思うと地味に気になってくるのが、お金周りの制限が色々と厳しいこと。これは、EVERINGがVISAプリペイドカードであるため資金決済法による制限を受けるのが要因。
具体的な制限は以下のとおり。
- 1回のチャージ上限は3万円
- 保持可能残高は10万円
- 月間決済可能額上限は12万円
- EVERING1つで決済可能な累積合計金額は100万円
- 1回の支払いの決済額上限が1万円のレジがある
とにかく制約が多いけど、これは法律の壁でどうしようもできない。ほとんどの人はEVERINGをサブ決済方法として使うだろうからあまり関係ないかもしれないが、もしメインで使おうとしている人は、注意が必要。
ただし、1つのEVERINGで累積100万円しか決済できないという制約には多くの人が引っかかるだろう。
100万円と聞くとかなり枠があるように聞こえるかもしれないが、毎月3万円分をEVERINGで決済すると仮定すると、約33か月=2.7年で累積決済上限100万円に達する。
上限に達すると古いリングが使えなくなる代わりに、新しいリングを無料で送ってはくれる……くれるんだけど、交換品がくることやらなんやらを考えなきゃいけないこと自体が俺的にはやや不満。ちなみに当たり前だけど、有効期限は伸びない。
家計簿アプリと連携ができない
俺は相当なズボラ人間なのでチマチマ家計簿をつけるということができず、口座連携すれば自動仕分けしてくれる家計簿アプリに頼り切っている。
なんだけど、EVERINGは今のところ、マネーフォワードやマネーツリー、Zaimといったどの家計簿アプリとも連携できない。
とりあえず指につけておけばサイフ代わりにできるのは最高だけど、EVERINGで決済すればするほどその内訳がブラックボックスになっていく。
電子マネーの大きなメリットの1つがアプリで家計がクリアになることなので、これはマジで残念。
EVERING側・家計簿アプリ側どちら側の問題なのかはわからないが、俺たち消費者からすれば「家計簿アプリと連携ができない」という事実は変わらない。せっかく手軽に使える指輪型端末なので、決済した後も気軽だとなお嬉しい。
デザインがゴツいので、職種を選ぶ
EVERINGは国内初のサイフ代わりになる指輪で、ガジェットとしてみれば極小サイズ。だけど、単純に”指輪”としてみるとゴツい。
リング幅に太さがあるのもそうだが、厚みもあるのでゴツさが強調される。しかも極めつけに本体色はオラオラブラックとプラスチッキーホワイトの2色展開でまぁ目立つ。
こうなってくると、職場によってはEVERINGをつけるのは相当難しいと思うし、上司に何か言われる可能性は高い。無難にシルバーを出してほしかった。
またEVERINGがゴツいのは見た目だけではなく、US7サイズ(日本サイズで14号)で4.5gと重量感もある。本体は強度に優れ、金属アレルギーもでないジルコニアセラミックを採用。
こちらは同じ指輪型ウェアラブルデバイスのOuraring。同じUS7サイズだけどEVERINGよりも1.5gも軽い。
1.5gとかたいしたさに聞こえないけど、俺の人差し指が感じる重量さにはかなり大きな違いがある。
この重量と本体サイズが相乗効果をもたらし、つけているのを忘れさせない存在感がある。
あと手を洗うタイミングでは外した方がいい。EVERING自体は5気圧防水に対応しているので水に濡らしても大丈夫なんだけど、単純に太いリング幅のところに水が入りこれがなかなか乾かずに不快な思いをする。
まとめ:決済スピード以外は100点の惜しいリング
ここまでEVERINGのメリット・デメリットを見てきた。改めてまとめると以下のとおり。
EVERINGは決済機能がついた指輪型ウェアラブルデバイス。とくにApple Watchとの比較において決済端末へのタッチしやすさでは圧倒的。使い比べてみても指と手首の10cmでこんなに違いがあるのかと驚くレベル。
なんだけど、EVERINGは決済端末として超重要な決済スピードが遅い。とにかく遅い。
決済スピードは買い物のスムーズさを決定づける大事な要素なので、「こんなに遅いならApple Watchでいいじゃん」ってしまうのがマジでもったいない。
事実、俺は最初の1週間はEVERINGを使いまくったものの、今ではメイン決済をApple WatchのiDに戻して、EVERINGはサブになってしまった。
総評として、EVERINGはほとんどの人にあまりオススメできない。
けど、この指輪でしか味わえない“未来感”と“ワクワク感”は唯一無二だし、とりあえず指につけてさえいれば充電不要でサイフの代わりになる安心感は大きく「買ってよかった」とは思っている。
俺と同じとにかく新しいモノが好きな人には「2万円で買える未来体験は面白かったよ」といいたい。近い将来、指輪型デバイスもメジャーになっていき指で決済が当たり前の世界はくるだろう。EVERINGはそんな未来を感じられる指輪だった。
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